本日2月16日は、淡島千景の没後12周年となります。
それを記念して彼女の作品を紹介します。

 

『日本橋』(1956)
監督 市川崑
撮影 渡辺公夫
共演 山本富士子、若尾文子、品川隆二

【あらすじ】
日本橋元大工町の辺りの清葉とお孝という美しい二人の芸者が、意地と純情で競い合っていた。
二人に溺れ、捨てられた男は数知れず。
そのなかの赤熊という大男は全てを失いながらなお、お孝を求めて界隈をさまよい歩いていた。
ある日、行方知れずの姉を捜し求める医学士・葛木は、姉と生き写しの清葉を知り、死ぬほどの慕わしさを打ち明けるが・・・


主演は淡島千景と山本富士子のダブルキャストで、若尾文子までも助演で参加しています。
(ところで、DVDのジャケットでは「出演 若尾文子」となっていますが、いったいどういうことなのでしょうか)


この映画は、日本映画黄金期のセット撮影の素晴らしさを満喫させてくれます。
初期のカラー映画とはいえ、大変に意欲的なセットが組まれています。

この作品が日本橋を舞台にしているからと言って、ここが日本橋のロケーション撮影など一つもありません。
全てがセットで撮影され、映像の色調が上質な薄さをもって、最後まで一貫しています。
夜の日本橋の石畳は、水が撒かれているために、情感のある光を放っています。








その中で、淡島千景は利休鼠色の着物、山本富士子は浅黄色やゆるし色の薄いの着物をまとい、薄暗いセットのなかで、浅く浮かびあがります。
たまに、袖口に見える赤い下地が目に入るくらいです。
(抱妓の若尾文子のみ、鮮やかな紅色で華やかに着飾っています 






ここでの淡島千景は、ライバルの芸者(山本富士子)と競う女であり、品川隆二へ惚れ込み、最後は狂気に至る女を演じています。
影が彼女の顔や身体に落ちていることが多く、女の深みを感じさせます。

幽霊が出るという噂の屋敷に淡島千景が引っ越してきたことや、周囲の路地に不気味な張り紙が貼ってあることもあり、不気味さが漂っています。









とりわけ、座敷で三味線を弾く淡島千景の、周囲の照明が静かに落ち、淡島千景の顔と胸元の白い肌だけが浮かび上がるシーンは実に秀逸です。
その異様さ・不気味さに、座敷の客や若尾文子が、静まり返ってしまうほどです。





他にも、品川隆二と路地で抱き合うシーンでの、影の模様など、見どころが沢山ある素晴らしい作品となっております。

























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