来る7月16日は、バーバラ・スタンウィックの生誕117周年となります。
それを記念して、彼女の作品を紹介しています。
(1907年7月16日生誕 - 1990年1月20日死没)

 

『吹き荒ぶ風』(1953)
監督 ヒューゴ・フレゴネーズ
共演 ゲイリー・クーパー、アンソニー・クイン
撮影 シド・ヒコックス

【あらすじ】
財産を失った男が、アメリカに戻る女性のため、ニトログリセリンの運搬仕事を引き受けた。
ところがそれを狙って盗賊団が襲いかかる。
さらに夫持ちの女性につきまとわれて……。

 

バーバラ・スタンウィックはキャリアが長い女優です。

1950年代は、40代にもかかわらず、まだ女優として堂々とした姿を見せています。
更に、1960年代はテレビシリーズのプロデューサーまで務めています。


このB級映画は、低予算映画とはいえ、老いたゲーリー・クーパーや、イタリアの新進のスターのアンソニー・クイン(『道』)まで出演しています。

その2人の男に囲まれて、バーバラ・スタンウィックは夫(アンソニー・クイン)がいるにもかかわらず、ゲーリー・クーパーに体当たりで愛を表現します。
それは、フィルムノワール傑作『深夜の告白』(1944)の悪女ぶりを思い出させます。
















なお、バーバラ・スタンウィックは、芸風の広い女優ですが、この作品では、華麗な乗馬を披露しています。

 

夫のアンソニー・クインとかつての恋人クーパーの前に自馬にまたがって姿を見せるバーバラ・スタンウィックは、二人の男を挑発するように、油田から自宅まで、車と馬で競争しようと持ちかけ、500ドルの賭けまで提案する。
映画はここで唐突に車と馬との疾走ぶりをキャメラにおさめ始める。
ロングショットはスタントインが乗っているのだろうが、馬上で大気に煽られ髪を振り乱すセーター姿のバーバラ・スタンウィックのクローズアップが何度か挿入される。
これはいかにも安上りなクライマックスだと思いつつも、顔一面に風を受けとめる彼女の上気した表情にはやはり感動してしまう。
もちろん、性的な挑発を絵に描いたようなシーンなのだけれど、そんな心理的なことよりこの馬上の運動感こそバーバラ・スタンウィックの本領というべきもので、この息の長い女優を追悼するにはこの画面を見続けることが最上のやり方だろうとも納得した次第だ。
彼女が500ドルの賭けに勝ったことはいうまでもない。

(蓮實重彦)







 

#エレガンス
#映画女優
#女優志願
#女優志望
#女優好きな人と繋がりたい 
#クラシック映画
#最も偉大な女優

#cinemaclassic 
#classicmovies 
#vintagemovie
#hollywoodlegend
#oldhollywood
#vintagehollywood
#classichollywood
#goldenageofhollywood
#actress
#elegance

#バーバラスタンウィック
#barbarastanwyck