10月17日のジーン・アーサーの生誕123周年を記念して、彼女の作品を紹介しています。
(1900年10月17日生誕 - 1991年6月19日死没)

 

『街は春風』(1937)
監督 ミッチェル・ライゼン
共演 エドワード・アーノルド、レイ・ミランド
撮影 テッド・テズラフ
脚本 プレストン・スタージェス

【あらすじ】
裕福な銀行家J.B.ボールは、朝食のことで息子のジョン・ジュニアと喧嘩をした。
自分の道は自分で切り開くという決意のもと、息子は出て行くことになる。
妻のジェニーが毛皮のコートを買ったことを知ったボールは激怒し、クローゼットからたくさんの毛皮のコートを縁から投げ捨てるのだが、2階建てバスで通勤中のメアリー・スミスに落下する。

 

1934年にコロンビア映画にアカデミー賞主要5部門をもたらした『或る夜の出来事』以来、スクリューボールコメディというジャンルの映画が一世を風靡しました。

スクリューボールコメディというのは、いかれた人物が登場するコメディですが、多くが婚約者が結婚しそびれ、離婚者が元さやに収まるというストーリーです。

傑作を挙げてみましょう:
・特急20世紀(1934、キャロル・ロンバード主演)
・新婚道中記(1937、アイリーン・ダン主演)
・赤ちゃん教育(1938、キャサリン・ヘプバーン主演)
・ヒズ・ガール・フライデー(1940、ロザリンド・ラッセル主演)
・フィラデルフィア物語(1940、キャサリン・ヘップバーン主演)
・レディ・イヴ(1941、バーバラ・スタンウィック主演)
・スミス夫妻(1941、キャロル・ロンバード主演)
・パームビーチ・ストーリー(1942、クローデット・コルベール主演)

・奥様は魔女(1942、ヴェロニカ・レイク主演)
・アダム氏とマダム(1949、キャサリン・ヘップバーン主演)

ここに、『生きるべき死ぬべきか』(1942、キャロル・ロンバード主演)は入れるかどうかは悩むところです。
(傑作なのですが、典型的なスクリューボールコメディからややズレるので)


上記の10本は、ハリウッドクラシックの押しも押されぬ不動のベスト10コメディだと思いますが、そのリストに新たに、このジーン・アーサー主演のコメディを追加したいと思います。
(とはいえ『生きるべき死ぬべきか』と同様に、スクリューボールコメディからズレるところがあるので)

脚本は、『レディ・イヴ』『パームビーチ・ストーリー』のプレストン・スタージェスの、下積み時代の脚本となります。
あまりにも、プレストン・スタージェスらしい、性急で、過剰なストーリーは最高です。

インスタント専門食堂(オートマット)での、大勢の客と給仕たちによるドタバタ劇は、その白眉です。
エンディング近くで、ジーン・アーサーの飼いはじめた2匹の大きな犬が乱入するシーン、株式市場での混乱(洗髪中なのに売買しているトレーダー)のシーン、ジーン・アーサーが住むことになるホテルのスイートのバスルームの過剰さも同様です。


そんなドタバタ劇に、ジーン・アーサーとエドワード・アーノルド、レイ・ミランド親子との勘違いに次ぐ勘違いで、話が転がるのは、いかにもプレストン・スタージェスらしい作風です。




















それにしても、ジーン・アーサーの艶っぽさはどうでしょう。
ジーン・アーサーと言えば、フランク・キャプラの一連の「良心」的なコメディの印象が強く、女性としての魅力よりも、正義の実現を支援する男性のサポーターという印象があります。
ホークスの『コンドル』も空の男たちを地上で待つサポーターという印象があります。

この『街は春風』では、ジーン・アーサーは『歴史は夜作られる』と同様に、女性として艶やかさを発しながら、コメディエンヌとして、キャサリン・ヘップバーンばりに、そのすらりとした容姿を活かして、毛皮を羽織りながらも、スポーティに画面を縦横に動いております。

これが映画女優と思わせます。

カトリーヌ・ドヌーヴは、好きな女優にジーン・アーサーを挙げていますが、納得いきます。

隠れた佳作です。

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