来る6月17日は原節子の生誕104周年です。
(1920年6月17日生誕 - 2015年9月5日死去)
それを記念して原節子の作品を紹介します。

 

『めし』(1951)
監督 成瀬巳喜男
撮影 玉井正夫
共演 上原謙、島崎雪子、杉葉子、小林桂樹、杉村春子、二本柳寛

【あらすじ】
大阪でささやかに暮らす、岡本初之輔と三千代の仲良し夫婦。
周囲の反対を押し切り、大恋愛の末に晴れて結ばれた2人だったが、結婚して既に5年が経ち、夫と妻の間には微妙な隙間風が吹くようになっていた。
そんなある日、初之輔のめいの里子が東京から不意に彼らの家にやって来る。
親から押しつけられた縁談が気に入らず、家出してきたという里子に初之輔と三千代はあきれ返るが、やむなく彼女を居候としてしばらく預かるはめに

 


原節子のクレジットに「東宝専属第1回作品」とあります。
原節子は、小津安二郎が所属する松竹映画のイメージがあるので意外な感じがします。



さて、林芙美子原作のこの映画は、生活臭そのものの、地味な設定となっています。
長屋でささやかな暮らしを送っている若夫婦を、原節子と上原謙が演じているのですが、彼らでなかったら、どんなにか観るのが厳しかったことでしょう。

また、杉葉子、小林桂樹、杉村春子、二本柳寛といったバイプレーヤーたちも、実に巧みな演技をしていることもあり、そうした設定を忘れて、芸の見事さを味わうことが出来ます。


そして、成瀬巳喜男が演出する視線劇の素晴らしさ。
『山の音』と同様に原節子の視線が最も印象の残る作品ではないでしょうか。


























それは、この作品で初めて実現した、成瀬巳喜男と、撮影監督玉井正夫、美術監督中古智との素晴らしいチームワークによるものです。

そのチームワークは、長屋の二間続きの部屋を豊かな映画的な空間に仕上げており、原節子が上原謙や島崎雪子へ投げかける視線を効果的画面に定着させているのです。

生活臭あふれるメロドラマが、いつの間に俗っぽさの欠片も感じさせない、スリリングな視線劇へとなっているのです。

 

『めし』の原節子が一段低い台所から茶の間に移動するとき、ほとんどの場合、彼女が茶の間に足をかけた瞬間にキャメラが遠ざかったり近づいたりするので、成瀬の演出は、細かいカットの連鎖にもかかわらず、一連の動作がごくスムーズに演じられているかのような安心感を見る者に与える。
また、座っている彼女がバストショットでとらえられるときも、立ちあがる瞬間にショットが変わり、同じ軸にそった編集が導きだすロング・ショットが、狭いなりに住居の奥行きを描きだすだろう。
(蓮實重彦)










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