来る4月24日は、バーブラ・ストライサンドの82歳の誕生日です。
それを記念して、バーブラの作品を紹介いたします。


バーブラ・ストライサンド Barbra Streisand

  • 1942年4月24日、ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
  • 1962年に歌手としてデビュー。代表曲は「ピープル」、「追憶」等。
  • アカデミー賞は、『ファニー・ガール』で主演女優賞を、『スター誕生』で作曲家としてアカデミー歌曲賞と2度受賞している。
  • 映画監督としては『愛のイエントル』でデビュー。主演・脚本・製作、そして主題歌と5役を務めた。

 

『ファニー・レディ』(1975)
監督   ハーバート・ロス
撮影 ジェームズ・ウォン・ハウ
共演 ジェームズ・カーン、オマー・シャリフ

【あらすじ】

舞台女優として成功を収めたファニーだったが、ニックと離婚してもなお、彼のことが忘れられないでいた。
そんな彼女の前にボビーが現れる。
ショー・ビジネスに対する野心に燃えていた彼は、ファニーに公演の話を持ちかけてきたのだ。
強引で礼儀をわきまえないボビーに戸惑うファニーだったが、やがて二人の仲は深まり…


バーブラと同世代の女優としては、カトリーヌ・ドヌーヴ(1943年生まれ)がいます。


また、ミア・ファロー(1945年生まれ)、ダイアン・キートン(1946年生まれ)、ラクエル・ウェルチ(1941年生まれ)などユニークなしゃべり方やルックスの女優もいて、女優が多様化しはじめた世代です。
 

ドヌーヴが、姉のフランソワーズ・ドルレアックとともに、圧倒的な美少女としてデビューをしたのに比して、バーブラ・ストライサンドや、ミア・ファローや、ダイアン・キートンは、美女としては売ってきませんでした。
ミア・ファローは、新世代のショートカットの女優として、そしてボーイッシュでヒッピールックの存在として、またその素っ頓狂な声もあり、大変ユニークでしたした。

いにしえのハリウッド黄金期では、落第点をもらうような女優です。


バーブラも、そんなユニークな女優として映画史に記憶されます。


言うまでもなく、バーブラは、そもそも生粋の女優ではないですし、『ファニー・ガール』(1968)でいきなりオスカーを獲得したこともあり、更にはファニーフェイスであることを売りにしてきました。

しかし、ファニーとは、オードリーが『パリの恋人』でアステアから「ファニーフェイス」と言われたように、面白い顔という意味ではなく、従前の貴婦人や淑女のような美ではなく個性的な美をもった、女優という意味ととらえるべきでしょう。


この『ファニー・レディ』という作品は、『ファニー・ガール』の続編です。
ファニー・ブライスという実在のコメディエンヌを主人公にしているからと言っても、ストーリーはコメディではありませんし、決して、バーブラの歌だけを売りにする映画とはなっていません。
王道のロマンティックなメロドラマに仕上がっているのです。

この映画で、私たちは1970年代に入ってもなお、ハリウッド映画には辛うじて、上質な美的感性が残っていることに安堵します。
近年のハリウッドでは、露悪趣味が行き過ぎており、ロマンティックな世界観を諦め、ひたすらギャグや性愛やアクションを売りにする映画ばかりでうんざりするのですが、この映画でのバーブラ・ストライサンドは実にエレガントです。


まず、彼女の瞳の美しさ。
彼女の青い瞳が、アップにしなくても、くっきりと画面に映えています。
しばしばバーブラは視線を正面から外し、やや上方を見上げたり、伏目になったりするのですが、その繊細な瞳の動きを、私たちは観ることになります。
当時は、CG加工などしないはずですから、照明とメイクだけで、これを実現したのは、匠の技と言わざるを得ません。










そして、魅力的な厚い唇や、上質な衣裳。

シックな色使いの衣裳の薄い膜が、決してセクシーな印象を与えることなく、ゆったりと肌に重ねられていて、コメディエンヌのバーブラの寄る辺なさを強調しています。


 








こうした1970年代ハリウッド映画にあっては、稀有の美学が実現できているのは、かの撮影監督ジェームズ・ウォン・ハウに負うところが大きいと言えます。

ジェームズ・ウォン・ハウに特徴的なローキーの撮影は、このコメディ映画に適度な翳りを与えています。
また、ジェームズ・ウォン・ハウは、青い瞳を鮮明に映し出すことを最初に発見した撮影監督と言われており、青の瞳に関する第一人者でした。


ここでのバーブラの美しい青い瞳は、この中国系アメリカ人によってもたらされたというのは、大変興味深い事実です。

特に、新婚旅行の列車のコンパートメントで、ジェームズ・カーンの横で眠っていたバーブラが、深夜に起きて、愛の行方に思いをめぐらせるショットの、陰翳の美しさ。

こうした深い色は、近年の映画では皆無となりました。

 




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