本日4月23日は、ポーレット・ゴダードの没後34周年です。

(1910年6月3日 - 1990年4月23日)
それを記念して、彼女の作品を紹介しています。


以下は以前ご紹介した、男優が出ない映画『女性たち』を再掲します。

ポーレット・ゴダード以外にも、ジョーン・クロフォード、ノーマ・シアラー、ロザリンド・ラッセル、ジョーン・フォンテインなどのMGM女優たちの競演となっております。

 

------------- 以下再掲内容 -------------

『セックス・アンド・ザ・シティ』のようなアメドラでのラブコメのジャンルがあります。
私は、その分野に通じていませんが、『セックス・アンド・ザ・シティ』の映画版は観ていますし、他にもラブコメというかどうかわかりませんが、『デスパレートな妻たち』や『アリー・MyLove』などは、ある程度は観ています。
(『フレンズ』や『ビバリーヒルズ高校白書』は観ていません)

さて、そんなアメドラと、ハリウッドクラシックやフランスの華麗な女優達が出演する映画とは、まったくかけ離れたものではありません。
クラシック映画にも、そうしたアメドラのラブコメ的な軽さや俗っぽさをもった作品が多くあり、中には、驚くべき素晴らしい作品もあるのです。


私にとっては、そうした作品の最高峰(というほど崇高なものではありませんが)『フィラデルフィア物語』でした。
※キャサリン・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ジェイムス・スチュワート主演

『フィラデルフィア物語』を超える感銘を受けたので、本日はそれをご紹介いたします。

 

『女性たち』(1939)
監督 ジョージ・キューカー、
主演 ジョーン・クロフォード、ポーレット・ゴダード、
   ノーマ・シアラー、ロザリンド・ラッセル、ジョーン・フォンテイン
撮影 ジョセフ・ルッテンバーグ他

【あらすじ】
裕福なメアリーは、夫がショップガールのクリスタルと浮気していることに気づいていない。
シルヴィアとイーディスは、ネイリストの話からこのことを知り、メアリーにその噂話を聞かせるよう仕向け、メアリーが知ってしまう。
メアリーは離婚をするために、リノに向かうのだが、列車の中で、伯爵夫人とミリアムに出会う…



映画に限らず、芸術作品というのは、私たちの知性を超えた荒唐無稽の、無限大の何ものかです。
怪物的と言ってもいいでしょう。
芸術作品の持つ力に私たちは、時に感涙したり、時に爆笑したり、時に痛快感を覚えたりします。

俗流の映画紹介では、シリアスな人生や恋愛のドラマが、映画と思われておりますが、とんでもありません。
確かに『風と共に去りぬ』や『市民ケーン』のような映画は、映画史上の最高傑作ではありますが、優れた映画とは、シリアスなものばかりではないのです。

『女性たち』のようなアメドラのラブコメみたいな作品であっても、映画史上の傑作もあるのです。


この『女性たち』という作品は、極めて俗っぽい話です。

高級エステサロンのネイリストの噂で、ノーマ・シアラーの夫の不倫が発覚し、ノーマ・シアラーが離婚手続きのためにリノへ向かうのですが、その噂を流した無責任なロザリンド・ラッセルも夫婦間の不和が発生し、リノへ行ったところ、その不和の原因となったポーレット・ゴダードがそこにいて、大騒ぎになります。
そこへ、純情可憐なジョーン・フォンテインがいたりします。
そして、ノーマ・シアラーが、夫の再婚相手のジョーン・クロフォードに復讐を果たそうとする・・・

驚くべき俗っぽい話です。
アメドラのラブコメでありそうな、現代的かつ世俗的なストーリーです。

ここには、社会派的な深みもありませんし、いわんや、哲学的や実存的な問題など、これっぽっちもありません。


しかしながら、これがいいのです。
真の映画のコメディとは、『女性たち』のことではないかと思ったりもするくらいです。

ここにはギャグや、コメディアンは出てきません。
しかし、コメディとは、おかしい顔で笑わせたり、予定調和のギャグを言って乾いた笑いを誘うものではありません。
荒唐無稽な何ものかとの出会いにより、抱腹絶倒するのが真のコメディなのです。


ところで、この映画は何と言っても、私の知る限り2つある、男性が画面に出ないという特異な映画なのです。
子役から年寄りの役まで、全員が女性なのです。(出演した犬まで雌犬と言われています)
 ※もう1つは『8人の女たち』(2002)です。

上述のとおり、夫たちの不倫がたびたびテーマになるのですが、夫たちは画面の外や、電話口の先に追いやられているのです。
ルビッチが『天使』で、修羅場の会食の場を映さず、その会食の場から出てくる執事たちの反応だけで、その修羅場を想像させるような手法をとったように、この映画の夫たちについては、妻たちから想像ができるのです。


男たちが排除されることで、この映画は、MGMの女優たちの競演の場となります。
※なお、うがった見方をすると、1935年くらいから強化されてきた業界の自主規制により、性を直接的に描くことが禁止されてきたことへの対抗策として、いっそ、極端なまでに、男優を出さず、ラブシーンなど介入する余地を徹底的に排除したのかもしれません。


監督は、女優を撮らせたら右に出る者はいない、ジョージ・キューカーです。
まさに、ジョージ・キューカーにうってつけの企画なのです。
そして、実は『フィラデルフィア物語』もジョージ・キューカーによる作品です。(『女性たち』の翌年です)

 








ここでは、ポーレット・ゴダードについて、取り上げます。

 ※残りの女優については、こちらをご参照ください。

 

 


ポーレットは、下げた前髪をカールしているキュートな髪型に加え、潤んだ唇も魅力的です。

何と言っても、リノで、ロザリンド・ラッセルの夫との不倫が発覚し、そのロザリンドと取っ組み合いになるキャットファイトシーンの素晴らしさ。
さすが、チャールズ・チャップリン夫人です。

ロザリンドにショートパンツを脱がされるという屈辱を受け、ポーレット・ゴダードが暴れて、ロザリンドにキックを食らわせるシーンの痛快さ。
キュートな顔とのギャップがあまりにも大きく、爆笑してしまいます。
(なお、その仕返しに、ロザリンドはポーレットのふくらはぎに嚙みつきます)

キャメロン・ディアスが継承しているのは、ポーレット・ゴダードのこうした軽やかなコメディエンヌぶりです。











なお、この名作はメグ・ライアン、アネット・ベニング主演でリメイクされています。

『明日の私に着替えたら』
※アネット・ベニングは好演していますが...特に語らないでおきます。


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