来る4月15日はクラウディア・カルディナーレの86歳の誕生日です。
それを記念して、クラウディア・カルディナーレの映画を紹介しています。
『鞄を持った女』(1961)
監督 ヴァレリオ・ズルリーニ
共演 ルチアーナ・アンジェリロ
撮影 ティーノ・サントーニ
【あらすじ】
若くして夫を亡くし、未亡人となったアイーダは、リッチョーネのクラブで歌手として暮らしていたが、ある時マルッチェロという男に口説かれ、スカウトだと騙され、勝手にクラブを抜け出してパルマまで男の車でやってきた。
だが、マルッチェロはアイーダのことを遊びとしか考えておらず、途中でアイーダを置き去りにして去ってしまう。
逃げたマルッチェロを追いかけて家を訪れたアイーダは、彼の弟で16歳のロレンツォと出会う。
数々の男に騙されてきたアイーダにとって、純粋で思いやりのあるロレンツォは、彼女に初めて優しく接してくれた男だった…
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クラウディア・カルディナーレをスターダムに押し上げた作品と言われています。
この作品の監督のズルリーニが『芽ばえ』の脚本家であったことも無関係ではないでしょう。
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この頃のイタリア映画は、女優の輩出に長けていました。
『芽ばえ』(1957)ではジャクリーヌ・ササールを、『十七歳よさようなら』(1960)ではカトリーヌ・スパークを送り出しています。
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1950年代にハリウッドのスタジオシステムが崩壊する中、1934年にヨーロッパに生まれたソフィア・ローレン、ブリジッド・バルドーが、戦後にふさわしい女性像を演じてきました。
そこでは、貴婦人や淑女が理想形としてみなされることはなく、むしろ、庶民出身の強い美人や、良家のおてんば娘のような存在が、自由に生きることが美徳とされるような世界観が多くを占めていました。
それは、セクシュアリティの大胆さの点においても、進んできたことは言うまでもないでしょう。
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さて、1960年代は、その余波として、フランスでは、ベルナデット・ラフォンやミレーヌ・ドモンジョ、アメリカではジーン・セバーグやジェーン・フォンダ、ドイツではロミー・シュナイダーといった新世代の女優たちが生まれました。
その1人が、クラウディア・カルディナーレであり、1961年は彼女がスターダムに上った年として記憶されるべきでしょう。
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この『鞄を持った女』のクラウディア・カルディナーレは、ドライブ中に尿意を催し、草むらへと駆け込むシーンで登場します。(直接的には描かれません)
また、海辺のカフェで昼から酔っ払い、ダンスの途中で男を突き飛ばし、悪態をつきながら、ふらふらと倒れ込みます。
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クラウディア・カルディナーレがそうした若さを見せてくれながらも、私たちの心を捕まえるのは、ただただスクリーンにおいて輝く姿であり、その大きな瞳と、ややへの字の唇と、美しい顎のラインが強く印象に残ります。
バストショットで捉えられるクラウディア・カルディナーレは、胸から下はあまり映されることがなく、体型が強調されているわけではありません。
ソフィア・ローレンのような力強さではなく、クラウディア・カルディナーレに感じるのは弱さであり、寄る辺なさです。
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今後、クラウディア・カルディナーレの魅力について、言語化していきたいと思います。
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