来る5月29日は、ロミー・シュナイダーの没後42周年となります。
(1938年9月23日生誕 - 1982年5月29日死没)
それを記念して、ロミーの作品を年代順に紹介しています。
(過去の投稿の再掲となります)
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ロミー・シュナイダーの最後から2番目の作品で、フランスで大ヒットした作品です。
『拘留』(1981)
監督・脚本 クロード・ミレール
共演 リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セロー
撮影 ブルーノ・ニュイッテン
【あらすじ】
大晦日の夜、幼女連続レイプ殺人の容疑をかけられた公証人。
決定的な証拠が見つからない中、彼が犯人だと信じて疑わない刑事は尋問を続けるが、物語は思わぬ方向へ展開していき…。
リノ・ヴァンチュラ、ミシェル・セローというフランスの大御所俳優を主演とした映画で、ロミー・シュナイダーはほぼ唯一の女性として登場します。
主演ではなく、助演という役どころです。
ブルーノ・ニュイッテンのキャメラによる、華麗に薄暗い警察署の取り調べ室が舞台となっていながらも、中年男優のリノ・ヴァンチュラも、ミシェル・セローも、素晴らしくエレガントな印象を残します。
ここら辺が、フランス映画のいいところです。
アメリカ映画や日本映画だと、それだけで陰惨な印象が残り、観る気が奪われてしまいます。
以下に述べるように、ロミー・シュナイダーの役は極めて重要な役です。
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ミシェル・セローは、実は無罪にもかかわらず、拘留されていることがのちに分かります。
しかし、にもかかわらず、ミシェル・セローが自白を始めるのは、ロミー・シュナイダーによる残酷な仕打ちを知り、生きることに絶望したからなのです。(有罪の決め手となるような、ランドリー屋での証拠品の発注について、リノ・ヴァンチュラへ情報提供をするのです)
その直後、急転直下で、ロミー・シュナイダーの目の前で、真犯人が発見され、ロミー・シュナイダーのその行為がでっち上げだと暴かれたため、ロミー・シュナイダーは即時に自殺し、ミシェル・セローの咆哮で映画は幕を閉じるのです。
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関係が冷え切った夫婦を、言葉で直接的に語らず、間接的に描ききった、演劇的な映像表現です。
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ロミー・シュナイダーは、そこで貧しい階級の生まれながら、結婚により、巧みに中産階級に入り込みながら、夫に対して軽蔑しか抱けない妻を、見事に演じています。
警察署の暗い応接室で、シックな黒いブラウスにゆったりとしたパンツルックを着て、いつものロミーの微笑みを一切見せません。その冷やかな表情は、強く印象に残ります。
ロミーの素晴らしい助演ぶりを味わうことが出来ます。
隠れた名作です。
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