来る3月9日はジュリエット・ビノシュの60歳の誕生日です。
(1964年3月9日生まれ)
それを記念して彼女の作品をご紹介します。

 

『5月の花嫁学校』(2020)
監督 マルタン・プロヴォ
共演 ヨランド・モロー
撮影 ギヨーム・シフマン

【あらすじ】
1967年、フランス。
アルザス地方の小さな村にあるヴァン・デル・ベック家政学校。
理想の良妻賢母を育成するこの学校に18人の少女たちが入学する。
しかし校長のポーレットと2人の講師が行う授業は、女性解放運動の風を受け始めた生徒たちには納得いかないことばかりだった。
そんな中、学校の経営者だったポーレットの夫が急死し、多額の借金が発覚する。
破産寸前に追い込まれた学校を救うために銀行に駆け込んだポーレットは、そこでかつての恋人アンドレと思いがけない再会を果たす…

 

『私の知らないわたしの素顔』(2019)のような息詰まる作品と打って変わって、いかにもハッピーなフレンチムービーです。


60歳頃のドヌーヴが、オゾン監督の『8人の女たち』(2002)に出演し、その後に、『しあわせの雨傘』(2010)に出演しましたが、そのオゾン監督の映画のような、カラフルさ・軽やかさがこの作品の基調となっています。

校長役であるビノシュは、ピンクのスーツで登場し、牧歌的な花嫁学校でコミカルに演じます。
ビノシュの夫が急死し、学校の経営が危機に瀕するのですが、それもあっさりと乗り越えます。

 








ビノシュのコメディ映画はあまり多くはありませんが、この作品は、久しぶりのコメディ作品となります。
『カウチ・イン・ニューヨーク』(1996)、『シェフと素顔と、おいしい時間』(2000)、『40オトコの恋愛事情』(2007)くらいでしょうか。
ビノシュの丸顔は、コメディエンヌにあっているだけに、惜しいことです。


しかしながら、この作品は単なるコメディではなく、五月革命や、それと並行した女性解放運動の時代の物語として描かれています。
すなわち、古き良きフランスではなく、権威や因習と戦うフランスです。

※邦題の5月というのは、ブライダルシーズンのそれでなく、1968年5月の5月のことなのです。


クライマックスとでも言うべきラストシーン近くでは、ビノシュと花嫁学校生たちとのデモのようなシーンがあります。

そこで、シモーヌ・ド・ボーヴォワールをはじめとした女性の(革命的な)文化人の名前が叫ばれます:
 サラ・ベルナール、マリー・キュリー、ルイーズ・ミシェル、フリーダ・カーロ、ジュリエット・グレコ、ヴァージニア・ウルフ、アナイス・ニン、マルグリット・ユルスナ―ル、ジョセフィン・ベーカー、マリリン・モンロー、ジョルジュ・サンド、ニーナ・シモン、エティ・ヒレスム……

そうした固有名詞を少女たちが叫びながら歩く様は、感動的でさえもあります。









ビノシュは、数多くの政治的な映画に主演しています。
アパルトヘイトを扱った『イン・マイ・カントリー』(2004)、
世界同時多発テロを扱った『カウントダウン 9.11』(2006)、
中東問題を扱った『撤退』(2007)、
チリのコピアポ鉱山落盤事故を題材にした『チリ33人 希望の軌跡』(2015)などです。

また、政治的な活動も多く、最近では、フランス政府の年金改革に反体声明を出したり、イスラエルとハマスの大規模衝突の際の反ユダヤ主義に抗議するデモ行進に賛同したりしています。

その意味で、この映画は、数多くの政治的なテーマの映画に出演しているビノシュらしい映画です。








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