1月20日は、バーバラ・スタンウィックの没後34周年となります。
それを記念して、彼女の作品を紹介します。
(1907年7月16日生誕 - 1990年1月20日死没)
『深夜の告白』(1944)
共演 フレッド・マクマレイ、エドワード・G・ロビンソン
撮影 ジョン・サイツ
監督 ワイルダー
【あらすじ】
保険会社の営業マンのネフは、顧客の実業家ディートリクソンの邸宅で美しい後妻のフィリスと出会う。
彼女は夫に保険金をかけることをネフに持ちかけるが、怪しんだネフは一度はそれを拒否。
しかし、フィリスに誘惑され不倫関係に陥ったネフは、保険金を目的とした殺人に加担をしてしまうのだった。
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フィルムノワールと言われるジャンルがあります。
「黒の映画」という意味で、1940年代に盛んに作られた犯罪映画です。
この作品は、フィルムノワールの代表的な作品として挙げられます。
他には、『三つ数えろ』『復讐は俺にまかせろ』『ギルダ』『上海から来た女』あたりでしょうか。
(余談ですが、1950年代末にゴダールのデビュー作の『勝手にしやがれ』やその後の『メイド・イン・USA』は、フィルムノワールをアマチュアなりに作ってみたという試行錯誤の作品です。)
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さて、フィルムノワールに欠かせないのが、男を破滅させる運命の女(ファム・ファタール)です。
そのファム・ファタールをバーバラ・スタンウィックは見事に演じてみせます。
それは、『ギルダ』『上海から来た女』のリタ・ヘイワースや、『復讐は俺にまかせろ』のグロリア・グレアム、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のラナ・ターナーに匹敵する女性像です。
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アンクレットをした足のさりげない淫靡さ。
人工的な妖しさをもったプラチナブロンドヘア。
『深夜の告白』はフィルム・ノワールの最初の傑作であり、ひとつの頂点とすらみなされているが、たしかに、深夜に鳴りひびく電話とか、ぼんやりと点る終夜灯とか、黒のセダンとか、夜の街をあちこちの壁にぶつかるようにうねり、飛び交い、かすめてはすぎ去っていくヘッドライトの光亡とか、人けなき深夜のビルの入日のホールとか、録音機とか、ノワールなムードをいやがうえにもかきたてるイメージの数々にみちみちた映画であった。
(山田宏一)
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それにしても、バーバラ・スタンウィックは、底の知れない女優です。
『レディ・イヴ』『教授と美女』とで最高のコメディエンヌぶりを発揮する一方で、
『ステラ・ダラス』では母子もののメロドラマで泣かせる母親役を演じ、
『深夜の告白』では、リタ・ヘイワースに匹敵する悪女をも演じているのです。
私は未見なのですが『四十挺の拳銃』や『烙印なき男』などでは西部の女牧場主とか女盗賊といった女丈夫、心意気の西部の鉄火女を演じているようです。
淀川長治は、バーバラ・スタンウィックを「ハリウッドに最も愛された女優」と言っていましたが、それはそうした器用さに由来するのかもしれません。
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