10月22日のカトリーヌ・ドヌーヴの79歳の誕生日を記念して、ドヌーヴの映画を最初期から、たどり返しています。
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ドヌーヴは、1980年の『終電車』により大きな興行的な成功を収めました。作品的にも充実した内容であったため、1970年代のスランプから復活したかのように見えました。
その後、あまりにもひどい企画を持ち込まれたこと、そして、監督たちの逝去(ヒッチコック、トリュフォー、ブニュエル)、ドゥミとの仲違いと言ったことからでしょうか、ドヌーヴは引退を考えたそうです。
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しかしながら、アンドレ・テシネ監督との出会いにより、キャリアを継続させていきます。
大作映画や娯楽映画やコメディ映画にも出て、『インドシナ』(1992)で再度成功を収めます。
また、その一方で新進の監督の低予算映画にも出演続けました。
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そして、1993年に50代を迎えます。
1983年にブニュエル、1984年にトリュフォー、1990年にジャック・ドゥミに続き、1996年に遂にマストロヤンニとも死別することになります。
愛した男たち/監督たちが、次々と逝去していくのです。
(なお、ロジェ・ヴァディムは2000年に逝去します)
偶然かどうか、2000年前後の作品群には、それまでのドヌーヴと異なる迫力があります。
個人的にドヌーヴの最も好きな時期でもあります。
『ヴァンドーム広場』(1998)
監督 ニコール・ガルシア
共演 ジャック・デュトロン、エマニュエル・セニエ、ラズロ・サボ
撮影 ローラン・ダイヤン
【あらすじ】
パリ、ヴァンドーム広場。
かつて腕利き宝石ディーラーだったマリアンヌは、愛した男バティステリに裏切られ、一時はアルコール依存症になっていた。
ある日、高級宝石店を営む夫が、最高級のダイヤを残したまま事故死する。
宝石ディーラーに復職した彼女は、自分でダイヤをさばこうとするが、それは盗まれたものであった。
事件の背後には、昔、彼女を裏切ったあの男がいた……。
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1997年は、ドヌーヴのフィルモグラフィにおいて珍しくブランクのある年です。
それは、1996年末に逝去したマストロヤンニの喪に服していたのかもしれません。
(あるいは死の直前に看護をしていたので、撮影できなかったのかもしれません)
その喪の明けに出演したのは、新進の女性の監督ニコール・ガルシアの3作目の作品でした。
ニコール・ガルシアは、『愛と哀しみのボレロ』などで女優をしていましたが、1989年より長編映画を手掛けていました。
(ドヌーヴと3歳違い)
ここでのドヌーヴは、アルコール依存症から復帰する宝石商であり、夫を若い女に取られた妻の役を演じていて、これまで以上に役の幅が広がったように思います。
それもあってか、ヴェネツィア国際映画祭女優賞を獲得しています。
(概して、ドヌーヴはあまり賞に恵まれないのですが、珍しく受賞となりました)
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ドヌーヴは、常に演技に開眼したのは『反撥』であると語っていますが、その監督であるロマン・ポランスキーと結婚したエマニュエル・セニエが共演しています。
単に共演しているだけでなく、エマニュエル・セニエは、物語上、若い頃のドヌーヴと重ね合わせられています。
(回想シーンでは、ドヌーヴの若い頃をエマニュエル・セニエが演じているのです)
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そうしたエマニュエル・セニエが横にいるせいかもしれませんが、ここでのドヌーヴには、年齢と人生を重ねた女優としての深みを見て取ることが出来ます。
しかし、それは演技派であるということではなく、ドヌーヴは、あくまでもクールビューティであり、ヴァンドーム広場に面した老舗宝石店のディーラーとして、華麗さを失うことはありません。
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ラストシーンで、突然にドヌーヴは海岸へ出て、風に吹かれます。
そこへ、ジャン=ピエール・バクリが追いかけて来て、ドヌーヴが「いつも逃げる女を追いかけるの?」と語りかけ、髪の毛がドヌーヴの瞳にかかり、溶暗して終わります。
海岸は『海辺のホテルにて』を思い出せますし、風は『夜風の匂い』や『夜のめぐり逢い』を思い出させもします。
あるいは、アントワープやリヨンのホテル、ベルギーのモーテルなどの冷え冷えとした空気。
途方もない傑作ではありませんが、実は、ヴァンドーム広場というパリで最も豪奢な場所などよりも、そうした場所の空気感が強く印象に残る映画です。
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なお、相手役の主演男優は、『夢追い』で共演したジャック・デュトロン。
フランス映画の往年のスターの共演となっています。
また、『恋のモンマルトル』の監督をしたラズロ・サボも顔を出しています。
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