来たる12月1日の藤純子(富司純子)の生誕78周年を記念して、藤純子の作品を紹介しています。
(1945年12月1日生まれ)

 


この作品をもって、藤純子は四代目尾上菊之助と結婚することになり引退するため、サブタイトルには「藤純子引退記念映画」とあります。

弱冠27歳で引退したのです。
後に、寺島純子の名前でテレビ司会者となり、富司純子として再度スクリーンに戻ることになるのですが、「藤純子」としては最後の作品です。

 

『藤純子引退記念映画 関東緋桜一家』(1972)
監督 マキノ雅弘
撮影 わし尾元也
共演 高倉健、鶴田浩二、菅原文太、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎、南田洋子、藤山寛美

【あらすじ】
舞台は明治末期の柳橋。
鳶「に組」の副組頭の娘で芸者の鶴次は、美貌と男勝りの侠気とで評判を集めていた。
鶴次はに組の組頭・吉五郎のひとり息子である纒持信三と将来を誓い合っていたが、信三はヤクザ数人と乱闘して殺傷沙汰を起こしたことから旅に出ていた。
その最中、鶴次の父親が暗殺され…。


映画史を探しても、タイトルに女優の「引退記念映画」などと題される映画は他にないでしょう。

冒頭で、喧嘩に乗り込む藤純子に通行人から「日本一!」などと喝采が入り、映画の最後で藤純子が「みなさん、お世話になりました」とあいさつをするのは、ストーリー上のセリフであると同時に、一種観客向けと思えるはずです。

 

 



1972年のこの作品は、日本映画が観客と幸福な関係を保っていた最後の光であるように思います。
じっさい、前年には大映が倒産し、日活がポルノ映画を手掛けており、日本映画は斜陽時代へ入るのです。

監督は、藤純子を東映に引き入れ、藤純子と名付け、デビュー作を監督したマキノ雅弘です。

共演者がオールスターキャストで、観客だけでなく、スタッフも藤純子の引退を祝っているかのようです。

歌舞伎のような、観客との儀礼があるだけでなく、1つの映画としても、十分に楽しめる映画です。
(製作現場ではだいぶ混乱があり、満足が行かないものだったようで、マキノ雅弘にとっても最後の作品となってしまいましたが)


ここでの藤純子は、これまでの集大成とでも言うべき、艶のようなものをオーラとして放っているようです。

藤純子の美しさは何といっても、動きの美しさです。

彼女の武器である、豊かな髪の毛にかんざしを外し、それを武器として用いた後に、再び髪に戻す動作は、映画でしか表現できないものです。
それが、マキノ雅弘の滑らかなキャメラワークにより、稀有な活劇アクションとなっているのです。

 





座敷に座り、深々と頭を下げた後で、再び頭を戻したときの、晴れ晴れとした顔の美しさも、また同様です。

 





 

鶴次(藤純子)と恋人信三(高倉健)との再会シーン。
信三は「に組」組頭の息子で、纏持だったが、かつて鶴次を護って暴漢を殺めてしまい、姿をくらましていた。
夜の川べりで彼が大樹の名前を見ていると、彼女が左から来て、後ろ姿の彼の向こうへ回り、右から見上げて、彼の名前を呼ぶ。
この流動的な動きは独特のマキノ節で、殺伐とした物語に情感を与えるのである。
(山根貞男)

 

 

 



#映画好きな人と繋がりたい
#邦画好きな人と繋がりたい
#女優好きな人と繋がりたい 
#女優さん好きな人と繋がりたい
#女優好きさんと繋がりたい
#映画好き 
#女優  
#美女 
#おすすめ映画 
#エレガンス
#藤純子
#東映やくざシリーズ
#緋牡丹博徒
#最も偉大な女優
#女優志願
#女優志望

#cinemaclassic 
#classicmovies 
#vintagemovie
#actress
#elegance
#junkofuji