本日1月16日のキャロル・ロンバードの没後82周年を記念して、彼女の作品を紹介しています。
(1908年10月6日生誕 – 1942年1月16日死没)
『特急20世紀』(1934)
監督・製作 ハワード・ホークス
撮影 ジョセフ・オーガスト
共演 ジョン・バリモア
【あらすじ】
ブロードウェイの天才プロデューサー、オスカーは新作『ケンタッキーの心』にまったくの新人女優リリー・ガーランドを起用、舞台は大成功し、二人も結ばれる。
だが、オスカーの病的なまでの傲慢さに嫌気をさしたリリーはハリウッドへ。
今やヒット作にも恵まれず、資金繰りもままならないオスカーと、押しも押されもせぬ大スターとなったリリーが、偶然にもシカゴ発ニューヨーク行の特急20世紀号に乗り合わせてしまった。
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この映画は、スクリューボールコメディに必要な2つの条件を満たしています。
まず、スクリューボールコメディの「婚約者が結婚できない」「離婚者が離婚できない」という形式にのっとっているからです。
キャロル・ロンバードとジョン・バリモアというカップルが、離婚しそびれることが、延々と語れられることに笑いがこぼれるドラマなのです。
そして、スクリューボール(風変わり)な人物が出てくることです。
主演のジョン・バリモアは、この映画では徹頭徹尾ハイになっていて、まともな人格を備えていない狂気のプロデューサーとして、登場します。
この演技に圧倒されます。
また、脇役ですが、精神病院から抜け出した、自分が大富豪だと妄想し、列車の至る所に「悔い改めよ」のシールを貼る乗客エチエンヌ・ジラルドー。
彼もまた、末恐ろしい狂気を携えています。
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そんな、スクリューボール(風変わり)な男たちに対抗するのが、キャロル・ロンバードです。
彼女もまた、別の意味でスクリューボールと言えましょう。
彼女は、ジョン・バリモアにヒステリックに怒り、金切り声を上げ、あまつさえジョン・バリモアを足蹴にするのです。
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ハリウッド女優には、ジューン・アリソンやローレン・バコールのような低い声の美学の女優がいる一方で、
キャロル・ロンバードの金切り声は、(決して美的ではありませんが)ギャグとして機能しています。
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映画の冒頭では、抱腹絶倒のギャグが登場します。
舞台女優なのになかなか演技で大きな声を上げることが出来ないキャロル・ロンバードにしびれを切らしたジョン・バリモアが、キャロルのお尻にピンを突き刺すことで、キャロルが大声を出せるというものです。
通俗的なギャグが、相手を叩いたりすることで笑いをとるものだとすれば、
ここでのギャグは、ジョン・バリモアの狂人っぷりがあまりに荒唐無稽で笑ってしまうのです。
(それは、先に挙げた精神病院から抜け出したジラルドーについても言えることです。)
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当然のことながら、キャロル・ロンバードは金切り声だけの女優ではありません。
後に、グラマラスという言葉を女優として初めて使われるようになったように、キャロルは、とりわけ背中が美しい、妖艶なトップ女優なのです。(そのため、彼女の急逝で、クラーク・ゲイブルは激しいショックを受けるのです)
じっさいに、ジョン・バリモアへの愛がよみがえり、彼女が瞳を潤ませるシーンは素晴らしいです。
こうした美しさと、スクリューボールであることとの、反復のドラマがハリウッド最盛期のコメディなのです。
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美人薄命などと、凡庸なことを言うまいは思いつつも、キャロル・ロンバード(33歳没)、フランソワーズ・ドルレアック(25歳没)、マリリン・モンロー(36歳没)が、三大夭逝した女優として記憶しておきたいと思います。
なお、女優の悲劇と言えば、以下があります・・・書いているだけで辛くなります:
- ジーン・セバーグ 40歳で自殺(FBIによる暗殺説あり)
- ロミー・シュナイダー 43歳で不審死
- ピア・アンジェリ 睡眠薬の過剰服用で39歳没
- ナタリー・ウッド 43歳で水死とも言われる
- ヴィヴィアン・リー 神経衰弱のすえ、53歳没
- グレース・ケリー 53歳で交通事故死
- キャプシーヌ 62歳で自殺
- フランシス・ファーマー 精神病院への強制収容
- ジェニファー・ジョーンズ アルコール依存症
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なお、Amazonプライムで視聴できます。無料ではありません。
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