本日7月30日のクローデット・コルベールの没後27周年を記念して、彼女の作品を紹介しています。
(1903年9月13日生誕 - 1996年7月30日死去)

 

『丘の雷鳴』(1951)

監督 ダグラス・サーク

共演 アン・ブライス

撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ

 

【あらすじ】

長雨による洪水・堤防決壊の為、大量の避難民を受け入れながらも孤立した修道院経営の病院。

献身的で信心深いメアリーは、周囲に敬愛されると共に独善的であると批判される面も有る名物シスター。

受け入れた難民の中には実兄殺人罪により明日刑場で死刑執行予定のヴァレリー・カーンズと護送官が居た。

未だ冤罪を主張しつつ自暴自棄になったヴァレリーから直感的に無実を感じたメアリーは真犯人捜しを始める…。

 

クローデット・コルベールの『パーム・ビーチ・ストーリー』と並ぶ傑作は、この『丘の雷鳴』です。

1930年代からの大女優であったクローデット・コルベールが、1950年代に入り、齢50に近づいているのも関わらず、主演しております。


 

クローデットの47歳でありながら、キュートな丸顔が、尼役の清澄さと見事にフィットしています。

そして、破顔一笑の笑顔が、往年のコメディに負けず劣らず実に魅力的です。











 

思えば、クローデットの前には、50歳で主演を演じ得た女優は、ほとんどいませんでした。

 

1905年生まれのベティ・デイヴィス、1907年生まれのキャサリン・ヘップバーンは、クローデットの後を追いかけ、若さを売りにしなくても、実力で主演出来ることを示したのです。

  • ベティ・デイヴィスは、45歳でカンヌ国際映画祭主演女優賞を、
  • キャサリン・ヘップバーンは、60歳・61歳・74歳でアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

その意味で、クローデット・コルベールこそ、映画女優のパイオニアかもしれません。

 

撮影監督は、ウィリアム・H・ダニエルズ。

グレタ・ガルボのほぼ全作品を撮り上げた名匠中の名匠です。

 

じっさい、この映画の撮影の素晴らしさは驚くべきものがあります。

1950年代というハリウッドの崩壊期にふさわしく、匠の技の極みに達しております。

 

特に、祈りを捧げるシーンの、過剰さを抑制した崇高さは、観ていて心が豊かになる気がします。

ガルボを撮っているときの、女優の顔の半分を照らし、もう半分を影にする明暗法を、ややマイルドに展開しつつも、

画面に緊張感を保ち続けています。

 

 

最も美しいシーンは、クローデット・コルベールが小さなボートで、夜間に嵐が一瞬収まった際に、漕ぎ出すシーンです。

水面に薄く霧が立ち込め、異形の木が不気味に枝を伸ばしているなか、死刑囚のアン・ブライスの恋人を連れてくるために、乗り出すのです。

こんな素晴らしい撮影がスタジオで出来ていたことに、改めて驚いてしまいます。

 


 

脚本も素晴らしく、わくわくするミステリー仕立てになっており、更には90分以内にコンパクトにまとまった映画となっています。(最近の映画は2時間超えばかりで、拷問です)

 

監督のダグラス・サークについては、語る紙幅が無くなってしまいましたが、私の愛してやまないメロドラマの巨匠とだけ書き留めておきます。

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