8月29日に生誕109周年と没後42周年を迎えるイングリッド・バーグマンの作品を紹介しています。
(1915年8月29日生誕 - 1982年8月29日没

 

『白い恐怖』(1945) Selznick Pro + Vanguard

製作 デヴィッド・O・セルズニック

監督 アルフレッド・ヒッチコック

共演 グレゴリー・ペック

美術協力 サルバドール・ダリ

撮影 ジョージ・バーンズ


【あらすじ】

精神病院の新院長に着任したエドワーズ博士。

女医のピーターソンは、その正体が記憶喪失の患者・ジョンであり、エドワーズ博士のふりをしていることを見破る。

その理由が、エドワーズ博士を殺してしまったからだと思い込むジョン。

彼の無罪を信じるピーターソンは、エドワーズ博士の謎の死を解明するべく奔走する。

 

バーグマンはヒッチコック作品に3度主演しております。

ヒッチコックが好んで主演女優に起用するグレース・ケリー、ティッピ・ヘドレン、エヴァ=マリー・セイントと並ぶ、ブロンドのクールビューティです。

 

  • 『白い恐怖』(1945)
  • 『汚名』(1946)
  • 『山羊座のもとに』(1949)

 

なかでも、『汚名』は本当に素晴らしい出来で、ヒッチコック作品の中でも傑出していますし、バーグマンにとっても『イタリア旅行』と並ぶベスト作品と言えましょう。

 

さて、この『白い恐怖』は、ヒッチコックとバーグマンによる初めての作品ですが、『ロープ』と並んで、ヒッチコックが最も前衛的な演出した作品であり、バーグマンの魅力も遺憾なく発揮されています。

 

『白い恐怖』では、サルバドール・ダリが美術協力をしており、ハリウッド映画と思えないような、シュールレアリスム的なイメージが挿入されています。


 







 

私は、異なるジャンルの芸術が、その境界を越えてコラボレーションする手法をありがたがったりしないのですが、この映画については、珍しく素晴らしい成功をしているように思います。

それは、ヒッチコックが、ダリの前衛美術に対してコンプレックスを持っていなかったからではないでしょうか。

 

ところで、この映画の魅力は、実はこうした前衛性とは無関係の、バーグマンの素材としての素晴らしさです。

バーグマンという素材について、ヒッチコックは創意工夫溢れる演出をしています。

 

バーグマンは極めて積極的な女性として登場し、引っ込み思案でシャイな印象があるグレゴリー・ペックの無罪を信じ、彼の無罪を証明するために、奔走します。

 

いきなり相手に対して愛を感じたりはせず、バーグマンは徐々に愛に目覚めるのです。

 

眼鏡の女医だったバーグマンは、外部に対する盾ともいえるその眼鏡を外し、その瞳は徐々に潤いを増すのです。

 

 



 

そして、恋するバーグマンを捉える光の素晴らしさ。

 

暗い部屋の中で浮かび上がるバーグマンの白い服。

バーグマンは実は、華奢な体格ではありませんが、バーグマンの白い服から、その服の下に隠された情熱が漏れ出してくるようで、かすかにエロティックであります。

 

上質なエロティシズムというのはこうした微かな味わいでして、昨今のハリウッド映画の女優たちが決して持ちえないものです。

 





 

また、グレゴリー・ペックとの愛を通じて、バーグマンの心の扉が開いていくシーン。

「心の扉」をヒッチコックは映像で表現するのですが、奥から奥へと開く、扉の開き方を含め、創意工夫のある映像表現になっています。

 

 







 


思えば、バーグマンは、後半で冤罪を晴らすために奔走する「情熱」的な演技より、ヒッチコックの演出の1つのパーツに徹しているときの方が、存在感を示すような気がします。

 

映画女優というのは、舞台女優とは違うのです。

 

舞台という「いま・ここ」の瞬間やリアルな空間と違って、映画というのは、一連の演出の流れの中で、俳優をある意味素材として処理をしながらも、それでもなお、いや、それだからこそ一層、ある種の俳優の魅力を際立たせるものです。

そのある種の俳優というのが、映画女優・男優なのだと思います。

 

ローレンス・オリヴィエや森繫久彌よりも、ジョン・ウェインや高倉健の方が映画俳優としては優れているのは、そうした理由によります。

 









 

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