来る5月29日は、ロミー・シュナイダーの没後42周年となります。
(1938年9月23日生誕 - 1982年5月29日死没)

 

それを記念して、ロミーの作品を年代順に紹介しています。
(以前の投稿の再掲となります)


ロミーの初期の代表作の一つと言っていい作品です。

 

『審判』(1963)

監督 オーソン・ウェルズ

共演 アンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ジャンヌ・モロー、エルザ・マルティネリ

撮影 エドモン・リシャール

原作 カフカ

 

【あらすじ】

無数の机が並び、無言で背を向けてタイプを打つ行員たち。

ジョゼフはここの管理職なのだが、ある朝、身に覚えのない罪で“逮捕”を宣言される。

しかし、拘束されることはなく、就業時間後開かれる審理に出席。

傍聴人すら仕込まれており疑心暗鬼に陥る。

叔父マックスが紹介する弁護士ハスラーも裏では当局とつながっており、ジョゼフはその付添いの看護婦と刹那的な情事に耽り逃避するが、彼女は“男なら誰とでも”と自ら言うような女で、彼を惑乱させる…

 

かの有名なカフカの『審判』を、オーソン・ウェルズが監督・出演した映画です。

あのフィルムノワール史上の最高傑作の1つ『黒い罠』以来の、オーソン・ウェルズの監督作品となります。

 

文学作品の映画化などというものはありふれていますが、

『風と共に去りぬ』をはじめ、映像芸術としての独自の魅力を持った作品があります。

この作品もその1つです。

 

ここでのロミーの魅力は、コケティッシュな演技にあります。

「小悪魔」的というのはここでのロミーにぴったりです。

ロミーは、主人公アンソニー・パーキンスを翻弄させ、不条理の世界の深みへと陥れるからです。

(なお、ロミーは指の間に水かきがあるという設定で登場します)

 



 

同時にロミーの天真爛漫さがここでは全開しており、白いワンピースでのロミーの笑みが忘れがたく印象に残ります。
ここでのロミーは天真爛漫な悪魔です。



 



 

そして、25歳のロミーの顎のラインの美しさ。爬虫類的な人間臭さのない造型。

 





 

 

余談ですが、ロミーはノーメイクだったそうです。全くそう見えません。

 

実は、この作品は、ロミーのコメディエンヌ性が最も引き出されている作品かもしれません。

 

そもそも、不条理的な世界は喜劇と相通じるものがあります。

(不条理は、ドイツ語では Absurdität、英語では absurd と、本来は馬鹿げたという意味です。)

後年の『狂える羊 / Le Mouton Enragé』と並んで、実はロミーの喜劇女優としての天才が味わえる作品かもしれません。 

 

ところで、ロミーは好きな監督として、オーソン・ウェルズを挙げています。

(5作品も出演しているクロード・ソーテを挙げていません)

おそらく、呪われた作家であるオーソン・ウェルズのデーモンと、ロミーのそれとが共鳴しあったのでしょうか。


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