来る5月29日は、ロミー・シュナイダーの没後42周年となります。
(1938年9月23日生誕 - 1982年5月29日死没)

それを記念して、ロミーの作品を年代順に紹介しています。
(以前の投稿の再掲となります)


こちらの作品は、フランスで大ヒットしながらも、日本未公開のコメディ作品です。

 

「狂える羊」Le Mouton Enragé (1974)

監督 ミシェル・ドゥヴィル

共演 ジャン=ルイ・トランティニャン、ジェーン・バーキン

撮影 クロード・ルコント

 

【あらすじ】

ニコラ・マレは、仕事の安定のために社会的な平凡さを諦めている地味な銀行員である。

高校時代の友人であるクロードの助けや指導を受けながら、街で若い女性に声をかけることで、自信を取り戻していく。

そして、彼はめきめきと頭角を現し始める...。

 

女優にはコメディが出来る女優と、出来ない女優がいます。

 

ハリウッド黄金期のガルボとディートリッヒとでは、驚くべきことに、ガルボの方がコメディエンヌとしての才能があります。

『ニノチカ』という傑作があるからです。(その次の最後の作品『奥様が顔が二つ』は微妙な出来でしたが)

ディートリッヒは『真珠の首飾り』がややコメディタッチではありますが、『ニノチカ』にはかないません。

 

 ※コメディエンヌはフランス語では、女優を指します。(comédienne)

  よって、ここでのコメディエンヌは、英語的な「喜劇女優」という意味です。

 

ハリウッド黄金期では、なんといっても、キャサリン・ヘップバーンが抜きんでたコメディエンヌです。

ホークスの『赤ちゃん教育』、キューカーの『フィラデルフィア物語』は映画史上に残る大傑作コメディでした。

そのほかにも、スペンサー・トレイシーとの数多くのコメディを残しました。

 

バーグマンはハリウッド時代では、コメディは無理でした。

しかし、フランスで1本だけ撮った作品『恋多き女』は奇跡的に素晴らしく、彼女のコメディエンヌとしての意外な才能を示しています。(『サボテンの花』という54歳のときの作品も悪くはないのですが)

 

マリリンについては言うまでもないので割愛します。

 

オードリーはコメディというより、ラブコメディです。

多くの作品が軽いラブコメディ風です。

『いつも2人で』がいちばんコメディタッチですが、それでも純粋なコメディではありません。

 

さて、1960年代以降の時代に入ると良質なコメディは激減します。

ヌーヴェル・ヴァーグでは、ゴダールの『女は女である』、トリュフォーの『私のように美しい娘』くらいでしょうか。

それが、ヌーヴェル・ヴァーグの限界でもあります。

 

ドヌーヴもモローも、コメディはほとんどありません。

(モローは、BBとの『ビバ!マリア』がコメディタッチです。ドヌーヴも、スランプ期の『うず潮』でスクリューボールコメディに挑戦しているくらいです。)


なお、ドヌーヴは最近60歳を過ぎて、コメディに挑戦しています:
『しあわせの雨傘』(2010)、『ミス・ブルターニュの恋』(2013)、『バッド・シード』(2018)

その意味で、ドヌーヴは大器晩成型女優だと思います。

 

おそらく映画の黄金期にのみ、真のコメディは可能なのでしょう。

黄金期の最後のコメディエンヌはマリリンで、『紳士は金髪がお好き』はその意味で貴重な傑作です。

 

さて、ロミーは、作品に恵まれなかっただけで、その才能はあったのではないかと思っています。

ロミーの愛すべき丸顔と、小柄な体型はコメディエンヌに生かせたのではでしょうか。

 

ハリウッド黄金期の丸顔のコメディエンヌ、クローデット・コルベールを思い出せます。

また、節度ある色気を持っているところも、コメディエンヌの必要条件でしょう。


 

 



この『狂える羊』は、軽いコメディ映画で、そこでロミーは好演しています。
ロミーがトップ女優として、絶頂期だったこともあります。

ふと、ロミーが、素晴らしいコメディ監督と出会えていたら、きっと素晴らしいコメディ女優であっただろうと想像してしまいます。

※『ちょっとご主人貸して』『何かいいことないか子猫チャン』という作品はあることにはあるのですが、
論評は差し控えておきます。

 









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