本日はオリヴィア・デ・ハヴィランドの生誕107周年です。それを記念して、オリヴィアの作品を紹介しています。
(1916年7月1日生誕 - 2020年7月26日死没)


オリヴィアが『遥かなる我が子』に続きアカデミー賞主演女優賞を獲得した作品です。

『遥かなる我が子』とがらりと変わって、女の復讐というべき恐ろしい作品となっています。

 

『女相続人』(1949)

製作、監督 ウィリアム・ワイラー

撮影 レオ・トーヴァー

共演 モンゴメリー・クリフト、ミリアム・ホプキンス

衣裳 イーディス・ヘッド

 

【あらすじ】

1850年頃、ニューヨークの高級住宅地に邸を構える医師スロッパーは無器量で社交的でない一人娘キャスリンの行く末を案じていたが、彼女を家事や刺繍に閉じ篭らせていたのは、彼が断ち難い想いのあまり亡妻を理想化し、そのイメージを彼女に押しつけていたせいもあった。

牧師の夫を失い、兄スロッパーを頼って居候するラヴァニアは社交好きで、姪に異性と知り合うチャンスを作ろうとする。

彼女の計らいで出会った青年モーリスはキャスリンに興味を示し、舞踏会用の手帳のパートナー欄に立て続けに彼女の名を記す。

 

特筆すべきはラストシーンまでの17分間です。

それまでの天真爛漫なオリヴィアはいなくなり、かつての婚約者であるモントゴメリー・クリフトを呪う女へと豹変しております。

 







オリヴィアが、モンティに遥か昔に渡し忘れたパリ土産のルビー付きボタンセットをプレゼントしたのを見て、ミリアム・ホプキンス演じる叔母が「よりを戻したのね」と歓喜します。

 

しかし、オリヴィアは、「性懲りもなく、あの男はまた現れ、こんどは財産目当てだけでなく、強欲なことに、私の愛情まで求めている。痛い目にあわせてやる」と、ある決意をもって、ミリアム・ホプキンスに一瞬視線を投げ、刺繍を続けるのです。

亡き父が唯一褒めてくれた彼女の刺繍を。

 

ラストシーンで、モンティは「のこのこと」彼女を結婚式へと連れ出すべく、夜中に訪れますが、オリヴィアは全く取り合うことなく、刺繍を続けるのです。

 

ここで印象に残るのは、オリヴィアの重い視線だけではなく、パリで仕立てた真っ白なドレスです。

 

それに先立つシーンで、オリヴィアは、そのドレスを褒めたメイドを「私に頼み事をする前に、いちいちお世辞を言う必要はないわ」とぴしゃりとはねつけ、「いちばん涼しいドレスだから着ているだけよ」と言うのです。

 

オリヴィアがモンティへ対して、残酷な仕返しを行うのは、そんなイーディス・ヘッドによるその瀟洒なドレスを着ながらであり、そのギャップに対して、私たちはひるんでしまいます。



 

オリヴィアは、モンティがノックする玄関の扉まで近寄り、それを放置して、暗い階段を上がっていきます。

ワイラー独特の縦の構図で、白いドレスを着たオリヴィアの姿が暗闇に浮かび上がります。

この圧倒的な画面の力こそ、映画というべきものでしょう。

 

なお、ここで開花したオリヴィアの悪女役は、『ふるえて眠れ』(1964)で、ベティ・デイヴィスと共演することで更なる高みに達します。

これに匹敵する凄まじさは、ロージー監督の『エヴァの匂い』(1962)でのジャンヌ・モローくらいでしょうか。

エレガンスの彼岸にある、女の恐るべき怖さ。


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