来る6月27日は、イザベル・アジャーニの生誕69周年です。
(1955年6月27日生まれ)
それを記念して、イザベル・アジャーニの代表作をご紹介します。

こちらは、女優が最も美しく撮影された映画の1つと言っていいでしょう

 

『アデルの恋の物語』(1975)

監督 フランソワ・トリュフォー

主演 イザベル・アジャーニ 、ブルース・ロビンソン

撮影 ネストール・アルメンドロス

 

【あらすじ】

ヴィクトル・ユーゴーの娘、アデル・ユーゴーは、イギリス軍中尉の青年に一目惚れした。

以来、青年の任地が変わるたびに、アデルも彼について回る。

そして彼女の愛は、次第に執念とさえ呼べる激しいものになっていく……。

 


映画女優史は、グリフィスが撮ったリリアン・ギッシュから始まり、ハリウッドの絢爛豪華の時代に絶頂を極めました。

 

プロフェッショナルな撮影監督が、多くのヨーロッパ女優たち(ガルボ、ディートリッヒ、バーグマン、ヴィヴィアン、デボラ・カー、オードリー)、アメリカの女優たち(ルイーズ・ブルックス、ベティ・デイヴィス、ケイト、バコール、リズ、マリリン、グレース・ケリー)を華麗にスクリーンに映し出しました。

 

1950年代のハリウッドの崩壊に並行して、映画女優の中心地はイタリアとフランスへ移行しました。

戦後イタリアではロッセリーニとヴィスコンティが、華麗さを一旦捨て、(ロッセリーニの場合は、南イタリアの陽光のなかで)リアルな生々しさをもって、女優たち(バーグマン、アンナ・マニャーニ、 アリダ・ヴァッリ)を映し出しました。

 

1960年代に、ロッセリーニの弟子たちとも言うべきフランスのヌーヴェル・ヴァーグの監督たちが、パリの街や郊外へと女優たち(アンナ・カリーナ、ジャンヌ・モロー、ドヌーヴ、ジーン・セバーグ)を放ち、そこでは映画とは、監督と女優との生と同義となりました。(ヌーヴェル・ヴァーグとは関係がないですが、ロミー・シュナイダーも忘れ難いです)

 

そうしたヌーヴェル・ヴァーグの旋風の中心にゴダールと共にいたのが、トリュフォーです。

 

彼は、ベルナデット・ラフォン、マリー・デュボワ、フランソワーズ・ドルレアック、ジャンヌ・モロー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリー・クリスティ、ジャクリーン・ビセット、ファニー・アルダンなどの女優たちを、愛とともに、映画を撮り続けてきました。

 

トリュフォーのパートナーが、スペイン出身の撮影監督ネストール・アルメンドロスです。

『野性の少年』(1969)で初めてタッグを組み、『家庭』(1970)では、クロード・ジャドを、『恋のエチュード』(1971)では、キカ・マーカムとステイシー・テンデターを、繊細極まりない色彩によって、映し出しました。

 

『家庭』(1970)

 

『恋のエチュード』(1971)

 

トリュフォーとネストール・アルメンドロスとの4作目となる作品が、この『アデルの恋の物語』です。

主演は、デビュー直後のイザベル・アジャーニです。

 

18歳のイザベル・アジャーニの「いままさに変化しつつある体と顔のすべて」を一刻も早く撮りたかったというトリュフォーの、1960年代のトリュフォー作品の激情の演出とは異なる、円熟味を帯びた演出を堪能することが出来ます。

 

そして、映画女優というものが最も美しく撮られた作品は、この作品に他なりません。

自然光を生かし、キャメラの露出をギリギリまで落としたネストール・アルメンドロスの撮影は、映画の最高峰とも言うべき、繊細さで、イザベル・アジャーニの表情の震えを捉えています。

 

女優を撮りたい映画監督たちは必ずこの作品を観るべきですし、この作品を観た後でも、まだ女優を撮ろうと思えるのでしょうか。

 

『アデルの恋の物語』のイザベル・アジャーニは、その冷たい空気にふれたり興奮したりすると赤みがかる小さな鼻といい、小きざみにふるえる心持ちだらしなく突き出た厚みのあるくちびるといい、涙にうるむブルーがかったグレーの瞳といい、 一所懸命こらえているものの怒りっぽい声といい、泣きべその女の子の愛らしい面影を残した横顔といい、まだ淫らな感じはなくて、とても初々しい。
(山田宏一)






















 

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