来る5月29日は、ロミー・シュナイダーの没後42周年となります。
(1938年9月23日生誕 - 1982年5月29日死没)
それを記念して、ロミーの作品を年代順に紹介いたします。

(以前の投稿の再掲となります)

なお、2022年は没後40周年ということで、フランスでも日本でもレトロスペクティブが開催されました。

『ボッカチオ’70』(1962) 3話目『仕事中』
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
共演 トーマス・ミリアン
撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ

【あらすじ】
貴族の若夫婦の倦怠を皮肉っぽく描く。
浮気性の夫をやりこめようと、娼婦に化けて誘惑の電話をしたはいいが、あまりに素っ気なく話に乗ったので、シラけた妻はそれから夫と寝る際には報酬を要求することに決める。

 

『恋ひとすじに』(1958)で、ロミーはアラン・ドロンと出会い、パリへと逃避行の末に婚約にいたります。

それにより、ロミーはドイツ=オーストリア映画界から追放され、その後数本に出演したあとは、ドイツ=オーストリアからオファーが途絶えたと言います。

そんなロミーに声をかけてきたのが、当時アラン・ドロンとの協働をはじめていたヴィスコンティでした。

 

ヴィスコンティの舞台『あわれ彼女は娼婦』(1961)では、フランス語もしゃべれないのにヒロインに抜擢され、ヴィスコンティの猛特訓の末に、女優に開眼したと彼女が回想するほど、女優として飛躍を遂げたと言われています。

 

タイトルの「ボッカチオ」は、『デカメロン』で知られるイタリアの散文作家の名前で、『デカメロン』は、ユーモアと艶笑に満ちた恋愛話や失敗談です。

 

映画の制作は1962年で、来たる1970年にボッカチオが生きていたら、人間についてどんな物語を語るだろう、という趣旨の映画となります。

 

さて、この作品は、実は、ロミー・シュナイダーの女優としての天才ぶりが発揮された隠れた傑作ではないでしょうか。

 

24歳のロミーが、ソフィア・ローレン、アニタ・エクバーグと並んで出演したオムニバス作品です。

50分ほどの短篇なのですが、ロミーの素晴らしさが堪能できます。

 


貴族の邸宅が舞台となり、2つほどの部屋しか舞台は出てきません。

その意味で極めて演劇的な設定です。

主演者も、夫と、召使・弁護士たち、そして電話越しの父親と、ミニマルな設定です。

その間、ロミーは2回の着替えをして、ひたすらキャメラがロミーを追います。(入浴するシーンでは、一瞬セミヌード姿になります)
 


ロミーの艶やかさたるや。

シャネルのスーツをこんなに華麗に着ているのは、映画史では『去年マリエンバートで』のデルフィーヌ・セイリグと、この作品でのロミーくらいではないでしょうか。

 

なお、ガブリエル・シャネルはロミーに付きっきりで着こなし、身のこなしから、視線の動かし方、アクセサリーの組み合わせまでを叩きこんだそうです。












ロミーは、前髪を下しているところが、あどけなさを残すのですが、父親に電話をしながらケラケラと笑って見せる一方で、夫への絶望からふと涙がこぼれます。









 


 

夫へ対して、何度か向ける鋭い視線。

 



 



 

顎のラインが端正なロミーへの横からのショットは、実に官能的です。

また、逆光をバックにした立ち姿。

 



 

 


正直ヴィスコンティにこのような小品が撮れると思っていなかったので、驚きです。

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