来る3月22日はファニー・アルダンの75歳の誕生日です。
(1949年3月22日、仏ソミュール生まれ)
それを記念して、アルダンの作品をご紹介していきます。
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こちらは、アルダンの代表作の1つです
『隣の女』(1981)
監督 フランソワ・トリュフォー
共演 ジェラール・ドパルデュー
撮影 ウィリアム・ルプシャンスキー (+キャロリーヌ・シャンプティエ)
【あらすじ】
偶然、隣り合わせで住むことになった、今はそれぞれの家庭があるかつての恋人どうしが、再び恋の炎を燃やし、近所のテニス・コートでプレイをするのを口実に密会を重ねるが、男は次第に臆病になり、逆に女は臨界点を超えてゆく……
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ファニー・アルダンの経歴は以下の通りです:
父がレーニエ公の王宮総督で、モナコで育ちました。
1971年に仏グランゼコールのエクサン=プロヴァンス政治学院を卒業。
1973年に演劇学校に入学。翌1974年に初舞台、1976年に映画デビュー。
TVミニ・シリーズの演技に感銘を受けたトリュフォーが、抜擢し、一躍脚光を浴びました。
トリュフォーとはプライベートでもパートナーとなり、1983年に娘が生まれています。
1997年 セザール賞受賞。(『ペダル・ドゥース』)
大きな口、大きな切れ長の眼、黒い瞳、角張った長い顔... 彫りの深い美しさが強く印象の残ります。
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この作品は、恋愛関係にあったトリュフォーが監督した、凄まじい狂気の映画です。
撮影監督は、リヴェットとの作品で知られるウィリアム・ルプシャンスキー。
そして、あのキャロリーヌ・シャンプティエが助手としてついています。
これで悪い映画になるわけがありません。
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フランス映画には、狂気の愛の映画の系譜があります。
ルノワールの『獣人』やゴダールの『気狂いピエロ』はその金字塔ですが、それ以外にもジャック・リヴェットやジャック・ドワイヨンやレオス・カラックスの作品など、数え切れないほどです。
女優も、ジャンヌ・モロー、イザベル・アジャーニ、イザベル・ユペール、ジュリエット・ビノシュなどがそうした作品に参加しています。
※リヴェットにはその名も『狂気の愛』という映画があります。
おしゃれで、おフランスな映画もいいですが、たまには、こうした狂気の愛もご紹介したいと思います。
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この映画でのファニー・アルダンには、あからさまな狂気の風はありません。
テニスをしたり、絵本の作画をしたり、狂気と程遠い健康的な生活をしている女として登場します。
また、キャサリン・ヘップバーンのようにドレスが破れても、それを笑いに変えるようなユーモラスな面さえあるのです。
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しかし、ジェラール・ドパルデューとの距離が縮まる度に、狂気が増していきます。
スーパーでの出会いから駐車場に至るシーン。
なにげない日常のなかに、サスペンス溢れるディテールがあり、アルダンは卒倒してしまいます。
そして、最後は、恐ろしい悲劇が起きるのです。
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アルダンは、劇中のセリフであるように「単純だけど複雑な女」なのです。
すなわち、衝動的な愛を持ち合わせながら、それがまっすぐ表面に出ることがない、一種破綻した人間として、ファニーは(そして、ジェラールも)描かれているのです。
「あなたと一緒では苦しすぎる、でも、あなたなしに生きてはいけない。」
この劇中のセリフとともに、その情熱的で繊細な演技は、記憶されることでしょう。
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