1月24日は、ナスターシャ・キンスキーの生誕63周年でした。
(1961年1月24日、旧西ベルリン生まれ)
それを記念して彼女の作品を紹介しています。
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『テス』に続く、ナスターシャのベストNo.2は、43歳のナスターシャのフランス映画です。
(※ベストNo.1は『パリ、テキサス』)
『危険な関係』('03) TV映画
監督 ジョゼ・ダヤン
共演 カトリーヌ・ドヌーヴ、ルパート・エヴェレット、ダニエル・ダリュー
撮影 キャロリーヌ・シャンプティエ
衣裳 ジャン=ポール・ゴルティエ
【あらすじ】
ラクロの古典文学を現代のパリに舞台を移して映像化した恋愛ドラマ。
恋愛をゲームのように楽しんでいるメルトイユ夫人とヴァルモン。
ふたりは退屈しのぎにあるゲームを仕掛け…
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ラクロによる原作は、書簡小説の傑作として名高いだけでなく、言葉の企みのもつ恐ろしい力を示した小説でもあります。
1959年にジャンヌ・モローとジェラール・フィリップによって映画化されているほか、フランス内外を問わず何度も映画化されています。
(個人的に最も偏愛している小説です。)
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さて、この作品は、--- TV映画ではあるのですが---、とんでもない豪華キャストです。
フランスの戦前からの大女優ダニエル・ダリューと、還暦になったとはいえ大スター、ドヌーヴ。
そこに、43歳のナスターシャ・キンスキーの3大ヨーロッパ女優の競演となっています。
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そして、衣裳はゴルティエです。
設定が、1960年代になっているので、いかにもなゴルティエでなく、ソフトなゴルティエという感じで、それもまた味わいがあります。
ナスターシャの役は、貞節と評判の高い法院長夫人なので、ゴルティエイメージとは全くそぐわないかと思ったら、60sファッションをモダンにした感じで、上品でキュートに仕上がっており、意外にいいのですね。
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更には、撮影監督がキャロリーヌ・シャンプティエ。
ゴダールの『右側に気をつけろ』『リア王』『決別』などの作品に加え、フランス現代映画の傑作だと思う『夜風の匂い』(ドヌーヴ主演)『溺れゆく女』(ビノシュ主演)の撮影監督で、彼女の撮影なくして、映画の感動はないと思うほどです。
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この映画でもキャロリーヌの撮影は素晴らしく、テレビ映画と思えません。
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肩までの長さの実に豊かなブロンドは、ナスターシャの額を覆っているため、彼女の瞳は奥へ隠れています。
しかしながら、彼女がルパート・エヴェレットの誘惑で心が動くとき、彼女のブロンドヘアが実に美しく乱れるのです。
そして、瞳が額とともに現れます。
こうした、心を写し取る映像表現こそ、映画というものではなかったではないでしょうか。
これがキャロリーヌの撮影によるナスターシャの素晴らしさです。
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