5月4日は、オードリー・ヘップバーンの生誕95周年でした。
(1929年5月4日 - 1993年1月20日)

それを記念してオードリーの作品を紹介しています。(過去の投稿の再掲となります)

 

『噂の二人』(1961)
製作・監督 ウィリアム・ワイラー
共演 シャーリー・マクレーン、ミリアム・ホプキンス
撮影 フランツ・プラナー
原作 リリアン・ヘルマン『子供の時間』
※『この三人』(1936、ワイラー)に続く映画化

【あらすじ】
カレッジ時代から仲の良かったカレン(オードリー・ヘプバーン)とマーサ(シャーリー・マクレーン)は、共同で寄宿制私立学校の経営に乗り出すが、ふたりがレズビアンという噂が流れて生徒たちはみな退校。
やがてふたりの潔白は証明されるが、そうした事件を機にマーサは、自分が潜在的にカレンを愛していることに気づき、その苦悩の果てに…

 

オードリーを可愛いアイドル的な存在として扱う作品やメディアの傾向があります。

例えばワイルダーが監督した2作品がそうです。
(なお、ワイルダーは、マリリン・モンローを撮った2作品では、マリリンをおつむの弱いブロンドとして扱っているように思います)

 

しかし、30代を迎えたオードリーはそうした可憐さ以外に自らの境地を探し始めています。
そして、この作品は、オードリーが怒りを表明している点において、『尼僧物語』を継承する作品でもあります。

 

この作品で生まれ始めたオードリーの魅力について論じてみたいと思います。


まず、伏せるだけで、哀しみが伝わる大きな瞳。この怒りと悲しみの戯曲の映画化にあって、オードリーは声を荒立ててばかりいるわけでなく、深い深い絶望の際(『ティファニーで朝食を』で言及されていた「やってくる赤」)が訪れる度に、彼女は瞳を伏せ、その哀しみを印象付けます。

 



 




そして、婚約者ジェームズ・ガーナーの邪な問いかけに対して、相手の顔を手で包み込み、瞳を閉じて、微笑しながら首を振る仕草。ラスト近く、遂に婚約者との破局が近づいてきたとき、オードリーは柔らかい反応で別れ行く婚約者を包み込むのです。

 

 



最後に、毅然とした立ち姿、凛とした歩き姿です。加えて、聡明さを感じさせる、涼し気で澄んだ瞳です。
この映画のラストシーンでは、オードリーはシャーリーを弔ったあと、たった1人で墓場を立ち去ります。
その表情には、周囲の心の貧しさ --- 偏見、好奇心、憐れみ --- に決して与することの無い、魂の清らかさがあります。
そして、それは『ローマの休日』のラストシーンと響きあいます。

 





 




『ローマの休日』と響きあっているのは、監督が『ローマの休日』のウィリアム・ワイラーであることにもよるでしょう。

原作のリリアン・ヘルマン『子供の時間』をワイラーが映画化するのは二度目でもあり、原作を知り尽くしてのセルフリメイクとなります。


また、撮影監督は、オードリーと何作も手掛けているフランツ・プラナー。
ワイラーは、縦の構図(セットを深く作り、人物を前後へ配する)をいかんなく活用しています。


この作品は、助演も素晴らしいです。

 

まず、コメディエンヌとして一世を風靡したミリアム・ホプキンス。

前回の映画化(『この三人』)では主演をしていました。

次に、2人の子役2人(メアリー、ロザリー)。
そして、メアリーの祖母役のフェイ・ベインター。

 

この作品を、単なる社会派作品ではなく、見事な作品に仕上げているのは、こうした助演の素晴らしさにもよります。

 

つくづくオードリーは、映画会社に期待されていたのだなぁと思います。

それは、1950年代に映画会社の経営が厳しくなり、黄金時代のような作品群を生み出せなくなってきたからでしょう。


重いテーマの社会派作品に仕上がっているため、いままでのような可憐でスリムなオードリーの美しさを堪能できる映画ではありませんが、しかしながら、オードリーの哀しさや強さの表現は、強い感動を呼びます。

『暗くなるまで待って』に至る、新たな30代のオードリーの新展開を思わせる佳作です。

 













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