来たる10月22日のカトリーヌ・ドヌーヴの80歳の誕生日を記念して、ドヌーヴの映画を最初期から、たどり返しています。
 

ドヌーヴの主演第3作をご紹介します(厳密には主演と呼ばず、助演と呼ぶかもしれませんが):

 

『悪徳の栄え』(1962)
監督 ロジェ・ヴァディム
共演 アニー・ジラルド

撮影 マルセル・グリニヨン

【あらすじ】
第2次世界大戦末期、ナチス崩壊前夜。
対照的な性格の二人の姉妹が、それぞれに全く異なる運命を生きていた。
妹のジュスティーヌは、他の女性らとともにナチスに捕えられ、ドイツの山深くに建つ古城で、ナチス高官たちの欲望の餌食となっていた。
一方、姉のジュリエットはその美貌を武器に、ナチス軍に取り入り、将軍の情婦となって贅沢な生活を送っていた。
やがてナチス敗北の影が濃くなる中、姉妹は衝撃の再会を果たすのだった…。

 

ドヌーヴのキャリア最初期(1961-62)は、ヴァディム抜きには語れません。
主演第1作『パリジェンヌ』では、ヴァディムは脚本。

主演第2作『そして悪魔が導く』では、ヴァディムが製作

そして、この第3作では、ヴァディムが監督を務めています。

 

更には、この時期に2人は結婚間近まで行き(最終的には結婚せず)、ドヌーヴは彼の子供を出産しています。(クリスチャン・ヴァディム、1963年生まれ)


さて、この作品は善と悪との闘いのドラマです。

ドヌーヴは、善/美徳を代表し、悪徳の代表の姉=アニー・ジラルドと、対置されています。
 

ところで、アニー・ジラルドはヴィスコンティの『若者のすべて』(1960)をはじめ、旧世代の大女優であります。(ドヌーヴよりも12歳年上) 『若者のすべて』でもそうであったように、この作品でも娼婦の役で、成熟した女の魅力をモノクロームの画面で体現しています。


いっぽう、ドヌーヴは19歳であり、無垢な処女の妻の役を演じており、花婿をナチスに奪われ、悪徳の側からの横暴にひたすらに耐え続けるのです。


最後に勝利するのは善/美徳の側ではありますが、ドヌーヴの天使的な白い衣裳が強く印象に残ります。
そして、その美しい瞳から流れる大粒の涙の美しさたるや。

 

グリフィスがリリアン・ギッシュを捉えたような素晴らしいクローズアップが、ここで見られます。

(上下が反転しているのですが)

 




このように、初期のドヌーヴは、悲劇のヒロインばかりを演じているのです。

それは『シェルブールの雨傘』(1963)、『反撥』(1965)、『昼顔』(1967)などの代表作の強い基調を示しています。

 

※『昼顔』のラストシーンは、悲劇なのかハッピーエンドなのか分かりかねますが、夫が売春宿の顧客に殺されるわけなので、悲劇的と言って大きな間違いではないでしょう。

映画界に唐突に飛び込んだ19歳の女優は、まずは、その美貌を悲劇のヒロインのそれとして用いてきたのです。

その悲劇のヒロイン像、真に創造的な2人の監督ジャック・ドゥミ、ルイス・ブニュエルによって、映画史上に残る美しいアイコンとなり、ブニュエルの『哀しみのトリスターナ』においては、妖艶さを獲得するに至ります。

 

大女優の長い長いキャリアは、始まったばかりです。





















映画自体は、ヴァディム流のスキャンダリズムで撮られており、バロック的な陰影に富んだ美学が展開されています。
カルト映画がお好きな方へおすすめです。

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