来る3月9日はジュリエット・ビノシュの60歳の誕生日です。
(1964年3月9日生まれ)
それを記念して彼女の作品をご紹介しています。
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今日ご紹介するのは、ビノシュの代表作です。
『ダメージ』(1992)
監督 ルイ・マル
共演 ジェレミー・アイアンズ
撮影 ピーター・ビジウ
【あらすじ】
家族に囲まれ幸せに暮らすイギリスの国会議員スティーブン。
彼は、ある日出席した社交の場で、アンナという魅力的な女性と出会う。
彼女はスティーブンの息子マーティンの恋人だった。
しかし、スティーブンとアンナは互いに一目で運命的なものを感じ、いつしか体の関係を持つようになってしまう…。
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この作品での、ビノシュの存在感は、本当に素晴らしいものがあります。
この時期、彼女が女優として真に進化を遂げていることを示しています。
「お前は誰なんだ」とジェレミー・アイアンズは叫びます。
寡黙で得体の知れない女、成功した男の人生を狂わせる女として、ビノシュは登場するからです。
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ところで、この映画は、異様なつくりをしています。
出会いのシーンこそ、古典的なカメラの切り替えしで撮られていますが、そのあとは手続きをほとんど省いた形で、2人の不倫関係(それも息子の恋人との)が加速します。
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この作品では、以前ショートボブだったビノシュの髪が、前髪がアップとなり、額が強く印象に残ります。
映画女優史上、こうしたタイプの美しい額をもった女優は、他にいなかったと思います。
※このヘアスタイルは、しばらく封印されますが、『アクトレス~女たちの舞台~』(2014)の後半で再び観ることができます。
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それにしても、ビノシュの斜め前からのショットの美しさは、この作品でもいかんなく発揮されています。
ビノシュの頬から顎のライン、眉毛のライン、鼻のラインは、真にミステリアスです。
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