本日9月20日のソフィア・ローレンの89歳の誕生日を記念して、彼女の作品を紹介します。
(1934年9月20日 ローマ生まれ)

 

まずは、ウクライナでも撮影されたこの作品です。

 

『ひまわり』(1970)
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ 
共演 マルチェロ・マストロヤンニ
撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ ※テクニカラー
音楽 ヘンリー・マンシーニ
製作 カルロ・ポンティ

【あらすじ】
第2次世界大戦下、ジョバンナとアントニオは結婚するが幸せもつかの間、アントニオはソ連戦線へ送られてしまう。
終戦後も戻らない夫の行方を追ってジョバンナはソ連へ向かい、アントニオの居所を探し当てる。
しかし、戦場で遭難した彼は美しいソ連の娘に助けられ彼女と結婚し、子どもも生まれていた……。

 

この作品は、第二次世界大戦後、ソフィア・ローレンが、マルチェロ・マストロヤンニを探しに、旧ソ連へ行くというものです
 

オープニングや作品中に登場する、一面のひまわりが撮影された場所は、ウクライナだったそうです。

 



 

スタッフや俳優はイタリア中心ですが、イタリア=ソ連=フランス=アメリカ4か国合作の映画です。

 


さて、映画自体はご存知の通り、マンシーニの音楽が有名なメロドラマです。
2020年には、日本で50周年のリバイバル上映が行われました。

 

36歳になったソフィアは、若い頃のグラマラス女優から一変しており、成熟した女を演じております。

作品の中で、戦線へ立ったマストロヤンニと生き別れになった後のソフィアは、早くも髪の毛に白髪が入りはじめており、深い色の衣裳を身にまとって、ぎりぎりのところの生を生きているという設定です。

 










感動的なのは、二度目の再会のシーンです。

深夜、マンシーニの主題曲が流れる中、ソフィアは思い出のイヤリングをつけ、窓のブライドを挙げます。
雷雨のなかマストロヤンニを乗せたタクシーが、ゆっくりと近づいてきます。

 



再会の際にソフィアは灯りをつけず、「暗いのよ。でも私たちにはその方がいいのね」と言い、マストロヤンニを部屋へ迎えいれます。





彼女はしばらくマストロヤンニの告白を聴き、ようやくローソクに火をともします。

ソフィアのローソクを探す手と、マストロヤンニのマッチを持つ手と際どく接近します。






ローソクに火がともったことは、それがソフィアの心が徐々に開いていることを示すのですが、ソフィアは自らの顔について、「私も老けたでしょ。あなたも。」と口にします。

時間の流れの残酷さも同時に示されるのです。

ソファに座る2人は遂に抱擁に至るのですが、しかし、そこで赤子の鳴き声がそうした再会の情熱を水を差します。
照明が白々と灯され、ソフィアは赤子におしゃぶりを素っ気なくくわえさせなくてはならず、愛のシーンに白けが訪れます。

 

マストロヤンニはソフィアへ約束のロシアの品を渡し、そこで再び2人は抱擁するのですが、そこには白々とした諦念だけが支配しており、ソフィアは無表情のままです。

 

観る者は、2人が二度と結ばれることはないことを確信せざるを得ません。

 

そこでソフィアが流す涙の美しさについては説明する言葉はありません。
私たちは鈍い感動を抱くしかありません。


つくづく、映画を語る言葉の無意味さを思い知ります。





この映画は前半と後半とで、強いコントラストをもっています。
 

前半の2人の出会いの時期においては、マストロヤンニがソフィアのイヤリングを飲み込んでしまうほどの過剰な愛の体験が描かれたり、過剰なオムレツ料理が作られたり、過剰さをもったエピソードが強く印象に残ります。




 

 

 

 

最大の視覚的な存在が、前半と後半のちょうど中間にあたるひまわりのシーンです。

また、無数に広がる墓標もそうです。


そうしたものと、この白けの残酷なコントラストこそが、この映画の醍醐味と言えましょう。



※窓・鏡の効果についてはまだ深められていないので、今後の宿題にしたいと思います。

 

#エレガンス
#映画女優
#女優志願
#女優志望
#女優好きな人と繋がりたい 
#クラシック映画
#最も偉大な女優
#cinemaclassic 
#classicmovies 
#vintagemovie
#actress
#elegance

#イタリア女優
#イタリア映画
#ソフィアローレン
#ひまわり
#メロドラマ
#悲恋
#悲劇

#sophialoren
#attrice
#IGIRASOLI
#SUNFLOWER
#Ukraine
#Україна