イザベル・ユペールの70歳の誕生日を記念して、彼女の作品を紹介しています。
(1953年3月16日生誕-)


今日ご紹介するのは、セザール賞最優秀主演女優賞、ヴェネツィア映画祭主演女優賞を受賞したユペールの代表作です。
(なお、ヴェネツィアの方は、サンドリーヌ・ボネールと共に受賞)

 

『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』(1995)
監督 クロード・シャブロル
共演 サンドリーヌ・ボネール、ジャクリーン・ビセット
撮影 ベルナール・ジツェルマン

【あらすじ】
カトリーヌは、工場主の夫ジョルジュ、ジョルジュの先妻の娘ミリンダ、そして高校生の息子ジルと快適な館に住み、自らもギャラリーのオーナーを務める理想的な現代女性。
そんなある冬の朝、彼女は新しい家政婦ソフィーを迎えに駅へと赴いた。
仕事ぶりは完璧で、その上真面目で善良そうなソフィーに一家は満足するが……。

 


ユペールのキャリア初期は、その瑞々しさと、感光紙のような敏感な反応が特徴的でしたが、
この作品では、監督シャブロルの演出意図をきっちり汲んだ、反社会的な存在を演じています。

地位を確立した女優たちが演じたがらない役です。

 

さて、この作品は、やや退屈になりがちなフランス映画とはちがい、脚本の妙もあってスリリングな展開の作品です。

 

舞台は相変わらず地方に暮らすブルジョワ家庭だが、この一家はこれまでの登場人物とは違い、あからさまな悪徳や偽善の匂いはない。

いわばどこにでもいるフランス人なのである。

その彼らが、一見理不尽に見えながら、運命的必然というしかない悲劇に呑みこまれていくところが恐ろしい。

ブルジョワの日常生活の細密な描写からラストの惨劇まで、強い緊張の糸は決して途切れることがない。
(中条省平)



このブルジョワ家庭の悲劇を描いた作品で、ユペールは、ボネールの友だち役の郵便局員の女を演じています。

ボネールの傷つきやすい性格と対照的な、蓮っ葉で攻撃的な役を巧みに演じきっています。

田舎町の因習にうんざりして、権威や階級に対して反感を抱き、常に冷やかに眺めています。そして、それが恐るべき惨劇につながります。

 

ここでのユペールは、エレガンスとは程遠い役柄と演技なのですが、1980年代以降のフランス映画を語る際には、外すことのできない存在です。











監督は『主婦マリーがしたこと』(1988)はじめ、数々の作品を演出してきたシャブロルです。
思えば、ユペールの出世作は、シャブロルの『ヴィオレット・ノジエール』(1978)でした。


ところで、ヌーヴェル・ヴァーグの監督は女優の選び方で大きく分かれます。
トリュフォーは、ドヌーヴとジャンヌ・モローを好んで起用していました(私生活での関係もあるでしょう)。
一方、シャブロルやゴダールは、その2人を起用したことがなく、共通してユペールを起用していました。

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