3月16日は、イザベル・ユペールの71歳の誕生日でした。
(1953年3月16日生まれ)
それを記念して、彼女の作品を紹介しています。
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この作品は、『ヴィオレット・ノジエール』(1978)に続き、ユペールの存在感を鮮烈に印象付けたこの作品です。
『勝手に逃げろ/人生』(1979)
監督 ジャン=リュック・ゴダール
出演 イザベル・ユペール、ジャック・デュトロン、ナタリー・バイ
撮影 ウィリアム・ルプシャンスキー、レナート・ベルタ
【あらすじ】
主人公はライターのドゥニーズ、その愛人のTVディレクター、ポール・ゴダール、娼婦イザベルの三人の男女。
『1=想像界』では都会を捨て田舎暮らしを始めようとするドゥニーズの覚醒
『2=不安』では家族とも冷めた関係に陥り、行き場のないポールの焦燥
『3=商売』では田舎を出て都会で売春をしようというイザベル
『4=音楽』において、この三者が合流し、それぞれ新たなベクトルを指し示す。
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ユペールは、復活したゴダールの作品に2作品出演していますが、いずれも、ゴダールの記念すべき第2の処女作というべき作品です。(もう1作は『パッション』<1980>)
ここでゴダールがどう「復活」したかを詳述する紙幅はないのですが、1970年代のラディカルで、左翼的で、非商業的な映画ではなく、久しぶりにスターの出る商業映画となりました。
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ユペールは、娼婦役として登場し、下半身のヌードさえ披露しています。
とはいえ、まったく娼婦然としておらず、客との裸・肌の関係をもつ女性というくらいの感じです。
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ここでは、ユペールの寡黙さが印象に残ります。
ユペールは、内面を吐露することはなく、事実をナレーションで語るだけです。
自分のPlace(場所/部屋)を探し当てるという、身も蓋もない内容の映画ですが、
それが、ゴダールとレナート・ベルタのスイス的な素晴らしいキャメラワークで撮られると、不思議な感動が生まれます。
その意味では、典型的な「おフランス映画」とは全く異なる映画を味わえます。
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