今日から、エリック・ロメールの作品と女優たちを紹介してまいります。

 

『海辺のポーリーヌ』(1983)
 喜劇と格言劇シリーズ第3話

監督 エリック・ロメール
主演 アマンダ・ラングレ、アリエル・ドンバール
撮影 ネストール・アルメンドロス

【あらすじ】
15歳のポーリーヌは、年上で男性経験豊富な、いとこマリオンと、ノルマンディーの避暑地で夏を過ごそうと別荘にやって来た。
2人は海辺で昔マリオンのボーイフレンドで、いまだにマリオンのことが好きなピエールに出会った。
ピエールの知りあいのアンリ、翌日知り合ったシルヴァン。
シルヴァンに裏切られたと思い悲しむポーリーヌ。
それぞれの恋の行方は・・・。

 


エリック・ロメールとは:
教師、小説家を経て、映画批評を書くようになり、“カイエ・デュ・シネマ”誌の創刊に参加、編集長を7年間ほど務めました。
やがて50年から短編を手掛け始め、59年に初の長編を監督、ヌーヴェル・ヴァーグの監督の一人です。
2007年まで作品を撮り続けました。
(1920年4月4日生誕-2010年1月11日死去)

 


この作品は、可愛らしい、あっけらかんとした恋愛ドラマの傑作です。

主演のポーリーヌこと、アマンダ・ラングレは1967年生まれで、79年にテレビでデビューしています。
この作品では弱冠16歳。その後、ロメールの作品に2つ出演していますが、他は日本で公開されている作品はありません。

以下、蓮實重彦の言葉を引用しながら、ポーリーヌの写真を掲載します。

 










 

反省を知らぬ中年男は、あろうことか、寝乱れたポーリーヌの姿に惹かれて思わず抱擁しようとベッドに近づいたりするのだが、ポーリーヌもポーリーヌで、大人の醜さや愚かさに深く傷ついたりしたりはせずに、不意に足蹴りをくらわせて中年男に手痛い一撃を見舞い、あとは微笑んでいるばかりだ。
こうしたルサンチマンの不在が、『海辺のポーリーヌ』を思い切リドラマから遠ざけ、上質の喜劇として仕立てあげている。

上質のというのは、恋が、生死の問題とは異質の領域で不断に演じられる遊戯としての呆気なさを必要としている点を、嘘としか見えぬ自然さでロメールが描きあげているからだ。

(蓮實重彦)

 




さて、エリック・ロメールの6つの連続した作品は、「喜劇」と名付けられています。

 

生のリズムを異にする者同士の微妙な行き違いが、知らぬまに見る者の口もとをほころばせてしまうような喜劇=コメディがここでの問題となる。
役者が生真面目に自分自身を演じれば演じるほど、観客たちの唇に余裕ある笑いがこみあげてくるという点で、ロメールの喜劇は安定した市民社会の縮図だと言ってよい。
(蓮實重彦)


分かりやすく言うと、あっけらかんとした、身も蓋もない様が、エリック・ロメールの映画なのです。

嘘のようなご都合主義的なお話が、エリック・ロメールの魅力とも言えましょう。

(ロメールのご都合主義の極みは『友だちの恋人』でしょうか)

※急いで付け加えますが、あっけらかんとした、というのことは、これ見よがしなクールさやシラケ(青年向け漫画や少女漫画でよく見かける陳腐なキャラクター)などというものとは皆無です。


優雅な喜劇と言った方がいいでしょうか。

かと言って、それは服装やロケーションの優雅さの話ではありません。
成熟と余裕と、そして子供っぽさとが同居しあった空気感なのです。

また、登場人物が、恋愛をめぐり、本気で悲しんだり喜んだりしてません。
かといって、恋愛は全てゲームだというような、凡庸で薄っぺらな世界観があるわけでもありません。


あまりに軽いラブゲームに、傑作と呼ぶのがためらわれますが、『友だちの恋人』『緑の光線』と並ぶ、エリック・ロメールの傑作と呼びたいと思います。




Amazonプライムで無料で視聴可能です。

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