昨日2024年4月29日に、パリでロメールの映画のロケーションを訪れてみました。
エリック・ロメールの44年も前の作品です。
現代フランス人で、この映画を知っている人は少ないでしょう。
しかし、40年以上も前のこの映画に、私たちは心を動かされます。
なお、Amazonプライムで無料で視聴可能です。
『飛行士の妻』(1980)
喜劇と格言劇シリーズ第1話
監督 エリック・ロメール
主演 フィリップ・マルロー、マリー・リヴィエール、アンヌ・ロール・ムーリー
撮影 ベルナール・リュティック
挿入歌 アリエル・ドンパール
【あらすじ】
法科に通う苦学生フランソワは夜はパリ東駅の郵便局で働いている。
彼には前まで付き合っていたアンヌという恋人がおり、いまだ未練たらたらの節がある。
アンヌには妻子持ちの愛人クリスチャンがいたが、いきなり彼女に絶縁をせまってきた。
フランソワはアンヌにつきまとうが相手にされず、偶然見かけた、別の女といるクリスチャンを追跡するうち、同じバスに同乗していたリセエンヌ、リュシーが彼の尾行に気づいて、さらにその後ろをついてくる……。
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この作品では、フランソワとリュシー(アンヌ・ロール・ムーリー)によるクリスチャンを追跡するプチ探偵劇が展開されます。
その舞台となるのが、パリ19区にあるビュット・ショーモン公園です。
今回パリで、その公園を訪れてみました。天気だったので、多くの人々が日光浴や昼食をしていました。
フランソワとリュシーの会話に出てくる19区の区役所は確かに公園の入口近くにありました。
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じっさい、ロメールの映画は、こうした心地よい軽さに満ちあふれています。
16mmカメラを抱え、自然光のなかで、街中やリゾート地で、少人数でロケ撮影します。
まるで、学生映画のようですが、後年は撮影監督のネストール・アルメンドロスが、ロケとは思えないほど、素晴らしい撮影をするために、スタジオシステムが崩壊してからの映画において傑出しています。
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そして、出演者は、著名な俳優はほとんど出演しません。多くは、素人的な俳優です。
たとえば、この映画でリセエンヌ役のアンヌ・ロール・ムーリーを演じている、若干16歳のアンヌ・ロール・ムーリー。
1975年にテレビシリーズでデビューして、スクリーンデビューは2年前のロメールの作品。
あとはテレビシリーズや映画にいくつか、という程度。
極めて若い女優なのですが、当時台頭してきた、ブルック・シールズやソフィー・マルソーらの、華美さ・美少女性などは希薄です。
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ラコステのポロシャツとジーンズ姿で登場し、
ビュット・ショーモン公園の池で、主人公の男と会話しながら、魚の餌やりをしたり、
黄色いレインコートを着て、雨の降る街で探偵もどきの真似をします。
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そうした肩ひじ張らない、自然体のパリでの男女が、ロメールの厳密に構築された脚本を演じるとき、このブログで取り上げているスターたちと全く異なる味わいを残すのです。
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