5月4日は、オードリー・ヘップバーンの生誕95周年でした。
(1929年5月4日 - 1993年1月20日)
それを記念してオードリーの作品を紹介しています。(過去の投稿の再掲となります)
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『ローマの休日』『麗しのサブリナ』に続く、オードリーのハリウッド第3作は唯一古典的な映画でした。
『戦争と平和』(1956)
監督 キング・ヴィダー
共演 ヘンリー・フォンダ、メル・ファーラー
撮影 ジャック・カーディフ ※テクニカラー
製作 カルロ・ポンティ
音楽 ニーノ・ロータ
【あらすじ】
帝政ロシア末期のモスクワ。
貴族の私生児ピエールはロストフ伯爵の令嬢ナターシャに想いを寄せていた。
一方、親友のアンドレイは、妻を亡くし、負傷帰還兵となってしまい、いつしかナターシャと愛し合うようになる…。
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この映画は、クラシックなスタジオ映画です。
イタリアのスタジオで撮影していることもあり、イタリア資本も入っています。
プロデューサーはソフィア・ローレンの夫であるかのカルロ・ポンティ。
完璧なセット、職人監督、職人撮影監督、そして、豪華なテクニカラー。
原作は、古典小説。
監督のキング・ヴィダーは、1920年代から映画を撮り続けてきた名匠です。
これに比べると、『ローマの休日』はロケーションの映画、『麗しのサブリナ』はファッション志向の映画で、
ハリウッドクラシックの規範を外れていました。
(だから、悪いという意味ではありません)
当時のハリウッドでは、スタジオシステムが崩壊しつつあり、70mmで撮影された長尺の歴史物の大スペクタルが増え、たびたび過酷な環境での海外ロケを敢行していました。
『ローマの休日』は、そんなトレンドの1本でもあります。
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この『戦争と平和』で、オードリーが最も美しく撮られているのは、雨のシーンです。
窓越しに外を見るオードリーのショットは、本当に素晴らしいです。
薄明りの灯る室内を背景に、黒いフードをかぶったオードリーが、窓越しに外を見つめます。
その窓に映る雨粒に、視線を落としたオードリーの可憐な顔がのぞきます。
黒いフードによって、オードリーの顔のラインが曖昧になる代わりに、白い肌と瞳を強調しています。
残念ながら、このような素晴らしい映像は、いくら技術が発達しようと、昨今では見ることが出来ません。
思えば、オードリーの魅力の1つは白い肌だったように思います。
『マイ・フェア・レディ』のデコルテの美しさは、息をのむほどでしたし、
『尼僧物語』『ロビンとマリアン』での尼の役では、顔の白さが強調されていたように思います。
人気の低い『緑の館』も、緑のセットから浮かび上がる二の腕の白さが悪くはありませんでした。
『シャレード』のジヴァンシールックがエレガントだったのも、肌の白さと調和するリッチな白い布地によるところがあったのではないでしょうか。
その意味で『許されざる者』が最もオードリー的でない作品かもしれません。
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撮影監督は、テクニカラーの名手ジャック・カーディフ。
『黒水仙』『赤い靴』という名作カラー映画の撮影監督をつとめています。(『黒水仙』でアカデミー撮影賞を受賞)
後年、『王子と踊り子』では、最も官能的なマリリンの姿をフィルムに収めています。
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なお、この作品は、夫メル・ファーラーとの最初の共演作品となります。
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