本日5月1日は、いにしえのフランスの大女優ダニエル・ダリューの生誕107周年です。
それを記念して、ダニエル・ダリューの作品を紹介しています。
(1917年5月1日-2017年10月17日, 100歳)



ダニエル・ダリューのNo.1作品はこちらです:

 

『たそがれの女心』(1953年)
監督 マックス・オフュルス
共演 シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ 

撮影 クリスチアン・マトラス

【あらすじ】
匿名の貴婦人は浪費で借金をし、夫の将軍に貰った耳飾りを処分した。
真相を知った夫はそれを買い戻し、情婦に与えた。
情婦が手放したそれがドナテイ男爵の物となり、パリで出会った貴婦人に恋した彼は知らずそれを貴婦人に贈る。
彼はいきさつを話して一旦男爵にそれを返し、宝石商に売らせるとまた買い戻し、今度は貴婦人を介して姪への贈り物とする。
しかし、再び貴婦人はそれを追い求める……。

 

他のダニエル・ダリュー出演作の『輪舞』とともに、オフュルス監督作品です。

ここで、ダニエル・ダリューは、彼女が得意とする貴婦人の役を演じています。
物語は、
1つのイヤリングをめぐるものですが、オフュルスによって、まるで流麗なワルツのような作品に仕上がっています。
(オーストリアの映画監督オフュルスの作品が、ワルツのようだというのは、あまりに陳腐なたとえで恥ずかしいのですが...)

 












流麗なキャメラワークによって描かれる、貴婦人の恋物語は、いかにもヨーロピアンな貴族的な味わいに溢れていて、それでいて、ありがちなヨーロッパ映画のような退屈さと無縁の陶酔に溢れています。

なかでも、男優ヴィットリオ・デ・シーカと踊るシーンでのダニエル・ダリューは、最高のエレガンスと言えましょう。

毎夜毎夜、衣装を替えながらも、優雅に、軽やかに踊るその画面の連なりは、時間の感覚を一瞬忘れてしまうほどです。











 

彼女が大女優であるのは、演技が巧みであることとはいっさい無縁のものです。画面に映っているその姿に抑えがたい存在感があり、その希薄でありながらも尖鋭な存在感によって相手役の男優を生々しいイメージに収めさせるところで、いわば被写体としての魅力を十二分に発揮させることができるという点で、彼女は大女優なのです。

この盛装した男女の親密さが一瞬ごとに確かなものとなるさまが、手にとるように感じられる。それでいて、物語の主要な筋書きをたどることを見る者に放棄させてしまうのです。

ここでのダンスのシークエンスは、筋書きを一切想起させることはありません。

しかも、しかるべき年齢の男女の仲の深まりを映画で表現するには、この緩やかなダンスというリズムしか存在していないかというように、オフュルスは二人の息の合ったステップをながらかにキャメラで追い続けているのです。

物語の枠を軽々と超えて、作品の一部におさまることさえどこかで回避するように、映画そのものの真実ともいうべきものに、見ている者をふと向き合わせてしまうのです。
(蓮實重彦)


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