10月22日のカトリーヌ・ドヌーヴの80歳の誕生日を記念して、ドヌーヴの映画を最初期から、たどり返しています。
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1970年代初頭の、マストロヤンニとの四部作のほかに、ドヌーヴが妊娠中ということで短く出演している映画があります。
『リスボン特急』(1972)
監督 ジャン=ピエール・メルヴィル
共演 アラン・ドロン
衣裳 イヴ・サン=ローラン
撮影 ワルター・ウォティッツ
【あらすじ】
リスボンへ向かう特急列車が強盗団に襲われる。
その動きを察知したパリ警視庁の警部は、強盗団の首領との対決を覚悟する。
二人はかつて、堅い友情で結ばれた戦友同士だった……。
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ドヌーヴの数少ない、典型的なフィルムノワール的な悪女役です。
主演はアラン・ドロンで、ドヌーヴは助演として短く出演していますが、強い印象を残します。
ドヌーヴのフィルモグラフィーからはなかなか外すことはできません。
主演ではないにせよ、刑事とギャングの両方の愛人にして、偽看護師として殺人を犯す役という重要な役で、ドヌーヴは出演しています。
監督であるメルヴィルの作風どおり、ドヌーヴのセリフは極めて少なく限られています。
特に、初めて登場するシーンでは、いつものサン=ローランのドレスをまといながら、
2人の男たちが顔を合わせる、実に緊張感のある長いシーンでのセリフは、
「お元気?」の一言しかありません。
あとは、視線と仕草だけで語るのです。
ドヌーヴは、このようにセリフが少ない役の方がひょっとして存在感が強く出るのかもしれません。
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監督は、フランス暗黒映画の巨匠メルヴィルで、メルヴィルの最後の作品です。
(ゴダールの『勝手にしやがれ』に登場していることで有名です)
1970年代、メルヴィルだけでなく、ヒッチコックやフォードやルノワールなどの名匠たちが次々と逝去するなか、辛うじてメルヴィルの作品にドヌーヴが顔を出していることに、僥倖を感じずにはいられません。
後年ドヌーヴは、ポルトガルの巨匠オリヴェイラの作品に2作品出演していますが、それにも似たような感慨を持ちます。
その意味で、ドヌーヴは最後の映画スターなのかもしれません。
※余談ですが、元ゼルダの小澤亜子がドロントドヌーブというバンドで最近活動しているようです。
(ドロン、と、ドヌーヴですね)
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