来る7月7日に没後57周年を迎えるヴィヴィアン・リーの作品を紹介しています。
(1913年11月5日生誕 - 1967年7月7日死没)
『美女ありき』(1940)
監督 アレクサンダー・コルダ
共演 ローレンス・オリヴィエ
撮影 ルドルフ・マテ
【あらすじ】
元踊り子のエマは、ナポリのイギリス大使ハミルトンの妻となる。
折しも、ナポレオンとの戦いで苦戦する提督ネルソンが登場。彼と、ナポリ王との軍事的連携をエマが支援し、イギリス軍を窮地から救う。
その過程で、二人は不倫の恋に身を焦がすが、噂は広まり、公然の事実となる。
ロンドン凱旋の際も、エマは同行するも、ネルソン夫人の存在を思い知らせる。
ネルソンの子まで産むものの、ハミルトンが死んだとき、ネルソンはトラファルガー海戦に出陣していく……。
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『風と共に去りぬ』(1939)のあと、ロンドンで撮られた映画です。
プロデューサー兼監督のアレクサンダー・コルダは、ハンガリー系の移民ですが、各国で活躍し、
ロンドンで、ロンドンフィルムを立ち上げ、イギリス映画の黄金期を作りあげました。
撮影監督はルドルフ・マテという映画史上に残る名手です。
この映画では、『風と共に去りぬ』のテクニカラーに負けぬ素晴らしい撮影で、最盛期のヴィヴィアンを映し出します。
そして、1940年前後が世界映画史の絶頂期でもあることを実感させます。
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1800年前後のナポリとロンドンを舞台としたこの歴史物の映画は、
ヴィヴィアンの生々しさによって、全く古さを感じさせない現代的な仕上がりになっています。
ヴィヴィアンは、踊り子あがりの貴婦人の役ですが、彼女の表情の豊かさや快活さは、現代女性と大差ないと思われるほどです。
相手役のオリヴィエを笑わせたりするシーンなどは、人としての可愛らしさに溢れています。
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その一方で、冒頭部分では、ヴィヴィアンは、ギリシアローマ時代の彫刻と比せられる優美な姿を見せています。
こうした二面性が、ヴィヴィアンの魅力と言えましょう。
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筆舌に尽くしがたいのは、白黒映画の究極と言える美しいミドルショットの連鎖です。
陰影に富んだヴィヴィアンのショット。
ヴィヴィアンの動きを捉える、室内と室外を通過するキャメラの縦横無尽さ。
その陰影の繊細さは、バロック絵画、とりわけレンブラントを思い出させます。
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私がいちばん好きなのは、ヴィヴィアンが母とオリヴィエの偉業について、楽しく語らうシーンです。
ヴィヴィアンが、両手のこぶしを右目の前に重ねて、望遠鏡を見るオリヴィエの真似をします。
それをやや遠くから正面で捉えた、やや引いたショットは、不思議な構図をしています。
しかし、かと言って、奇をてらった風でもありません。
片目を失ったオリヴィエが、ヴィヴィアンにオーバーラップされるからでしょうか。
あるいは、バレエのマイムのような手の動きが優美だからでしょうか。
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ルドルフ・マテは、1898年にポーランドで生まれました。
ブダペストで『美女ありき』の監督でもあるアレクサンダー・コルダの映画会社に所属しました。
その後、ウィーン、ベルリン、パリ、ハリウッドを渡り歩きます。
以下のようにメジャーな監督からマイナーな監督まで、それぞれにふさわしいビジュアルスタイルとトーンを提供する大変な名手です。
- 『裁かるゝジャンヌ』(1928、ドライヤー)
- 『吸血鬼』(1932、ドライヤー)
- 『大自然の凱歌』(1936、ワイラー+ホークス)
- 『邂逅(めぐりあい)』(1939、マッケリー)
- 『海外特派員』(1940、ヒッチコック)
- 『妖花』(1940、ガーネット)
- 『生きるべきか死ぬべきか』(1942、ルビッチ)
- 『ギルダ』(1946、C. ヴィダー)
※1949年以降は監督としても活躍しています。
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映画とは、このように、画面の細部に魅力が畳み込まれています。
こうした、女優を切り取る画面の繊細な美しさこそ、当ブログで追求しているものです。
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