本日4月15日のグレタ・ガルボの没後34周年を記念して、ガルボの作品をご紹介します。
(1905年9月18日生誕 - 1990年4月15日死没, 84歳)



ガルボは、ディートリッヒと並ぶ、サイレント期~トーキー時代の北欧系美女です。

映画史上最も造型的に完璧な女優は、おそらくガルボかと思います。
そして、北欧系美女の系譜は、そのあと、ツァラー・レアンダー、イングリッド・バーグマン、アンナ・カリーナ、エヴァ・グリーン
に引き継がれます。
 

ガルボは、1924年 スウェーデンでサイレント映画でデビューし、
翌年招かれて、マウリッツ・スティッレル監督と共に、アメリカへ渡り、1926年 ハリウッドでデビューします。
16本の映画に主演し、1941年に引退しました。
したがって、カラー映画に一度も登場しておりません。


ガルボのベストNo.1の作品は、オペラ『ラ・トラヴィアータ』で有名なデュマ・フィスの小説の映画作品です:

 

『椿姫』(1937)
監督 ジョージ・キューカー
共演 ロバート・テイラー
撮影 ウィリアム・H・ダニエルズ、カール・フロイント

【あらすじ】
1847年のパリ。
社交界の花形マルグリット・ゴーティエは、バルビル男爵を紹介すると言われ、オペラ見物の桟敷席でオペラグラスで覗くと、一人の美青年がにこやかに微笑みかけた。
彼はアルマン・デュバルという学生だった。
結局、男爵とも知己となり、彼と金のために同棲するマルグリットだったが、その留守中、競売場で再会したアルマンと急速に親密になる・・・

※ミュージカル映画『ワーズ・アンド・ミュージック』で引用されています。






 

この作品は、絶頂期のハリウッドで撮られた作品で、
監督は、女優を撮らせたら、ハリウッドNo.1のMaster of Elegance ことジョージ・キューカーです。

 

ジョージ・キューカーが手掛けた女優映画の傑作 [年代順]

  • ノーマ・シアラー、ジョーン・クロフォード主演『女性たち』(1939)
  • ヴィヴィアン・リー主演『風と共に去りぬ』(1939) ※途中で降板
  • キャサリン・ヘプバーン主演『フィラデルフィア物語』(1940)
  • イングリッド・バーグマン主演『ガス燈』(1944)
  • ジュディ・ガーランド主演『スター誕生』(1954)
  • エヴァ・ガードナー主演『ポワニー分岐点』(1956)
  • ケイ・ケンドール主演『魅惑の巴里』(1957)
  • マリリン・モンロー主演『恋をしましょう』(1960)
  • ソフィア・ローレン主演『西部に賭ける女』(1960)
  • オードリー・ヘプバーン主演『マイ・フェア・レディ』(1964)
  • アヌーク・エーメ主演『アレキサンドリア物語』(1969)
  • ジャクリーン・ビセット主演『ベスト・フレンド』(1981)


さて、『椿姫』は、メロドラマ中のメロドラマの、高級娼婦と青年との悲恋の物語です。
あまりにも有名な小説、オペラであるがゆえに、「あぁ、また名作小説の映画化ね」と思われたかもしれません。

しかし、名監督ジョージ・キューカーと名撮影監督ウィリアム・ダニエルズにより、そのような安易な企画ではなく、エレガントそのものの世界が描きだされています。

世紀の美女ガルボの最高峰の作品となっていると思います。

 

ただし、そこには映画マニアが喜ぶような気を衒った演出もなければ、『風と共に去りぬ』のような豪奢な演出もありません。

淡々とした透明な語り口の映画なので、ひょっとしたら1回でその良さが分からないかもしれません。




この映画で、ガルボは美しい所作で私たちを魅了します。
扇を拾うシーンについては、キューカーはこのように語っています。

 

男が扇子を拾わせようとした時、彼女は不思議な動作をした。
それは、イサドラ・ダンカンの踊りの何かのようであった。
彼女はそれを拾うのに、ひざを横のほうにして、ごく自然のやり方で身を曲げた。

 




ガルボが、しばしの別れ際に、ロバート・テイラーの顔に、何度もキスをするシーン。
現代の映画なら、熱いディープキスやら、濃厚な抱擁やらで演出されるであろうようなシーンですが、徹底して抑制するのが、絶頂期のハリウッドです。

 

彼女は忘れがたいエロテイックな演技を見せてくれる。
アルマンには触れずに、彼の顔を辺り構わずキスで埋めていくのだ。
エロティシズムはそうやって作り出されるものだ。







ガルボが何度も見せる泣き笑いの表情は、実に優雅です。
エレガンスとは、こうした泣き笑いのことではないでしょうか。





また、ガルボが、テイラーの父から、別れるように説得され、悲嘆のあまり膝から崩折れると、テーブルの上に両肘をついた恰好になるシーン。






何気ないポーズですが、過剰にセンチメンタルになり過ぎないように、ギリギリのところで抑制されています。
そして、音楽がゆるやかに奏でられます。



こうした上質な演出が積み上げられることで、お涙頂戴のお約束のメロドラマが、新鮮な感動とともに、いまも私たちの心を打つのです。



撮影監督のウィリアム・ダニエルズ(1900-1970)は、ガルボのほとんどの作品を手掛けています。
(この作品以外での彼の傑作はシュトロハイム『グリード』(1924)です)


女優の顔の半分を照らしもう半分を影にする明暗法が、ガルボを真に美しく描き出したことは、映画史に記憶されています。


さらに、驚くべきことは両眼の部分だけに穴をあけた紗のヴェールをレンズにかけ、顔の輪郭をやわらかくぼやけさせ、それと対照的に瞳の黒さを際立たせるモノクローム独特の審美的な撮影法です。
上から照明を当て、まつ毛の影を目の下に繊細に撮影したことは、驚くべきことです。






 

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