1月23日は、ジャンヌ・モローの生誕96周年でした。
(1928年1月23日生誕 - 2017年7月31日死没)
それを記念してジャンヌ・モローの作品を紹介しています。
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こちらは、モローのベスト3に入るトリュフォーの作品です。
『突然炎のごとく』(1961)
監督 フランソワ・トリュフォー
共演 オスカー・ウェルナー、アンリ・セール
撮影 ラウール・クタール
【あらすじ】
モンパルナスで出会ったジムとジュール。
文学青年同士の二人はやがて無二の親友となり、美しい娘カトリーヌと知りあった時も共に彼女に惹かれてしまう。
だが熱烈にアタックしたのはジュールであった。
彼はカトリーヌと結婚し、祖国に連れ帰る。
だが、第一次大戦後、久方ぶりにライン河畔の夫妻の家を訪ねたジムは、ジュールからカトリーヌと一緒になって欲しいと請われるのだが……。
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男2人と女1人という設定は、ルビッチの『生活の設計』(1933)に始まり、ウルマーの『裸の夜明け』(1956)と、この作品を経て、ゴダールの『はなればなれに』(1964)、『冒険者たち』(1967)、『明日に向かって撃て』(1969)、『夕なぎ』(1972)へと流れつく歴史があります。
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「彼女はとくに美しくもない、聡明でも誠実でもない。だが、女そのものだ」
映画の中で以上のように語られるように、モローは絶世の美女ではありません。
この作品での彼女は、奔放なアクションで印象づけられます。
- 髭を顔に描いて、2人の男たちと走り、
- 自転車に乗って、風を切り、
- 疲れて歩けないとき、2人の男たちに抱えてもらい、
- 話を聞かない男に平手打ちを食らわせ、
- 深夜のセーヌ川へ飛び込み、
- 即興で「つむじ風」という歌を歌います。
(いかにも素人の小唄という感じでいいのです。)
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しかし、そんな中でも思うのは、ジャンヌ・モローの屈託のない笑顔です。
女優のなかで最も笑顔が美しい女優は、ジュンヌ・モローではないかと、ふと思います。
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ここでのモローの演技は、この時代に相応しく、いかにもヌーヴェル・ヴァーグ的です。
すなわち、スターが物語の主人公を演じるのではなく、等身大の人間が、等身大の人生を演じるのです。
そんなドキュメンタリーなのです。
ここでのモローは、「等身大であること」が魅力なのです。
(ゴダール映画でのアンナ・カリーナも同様です。)
アクターズスタジオ的に内面の表現することとは、まったく異なります。
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ジャンヌ・モローの演技は、等身大で表現するという次元を超えて、人生を生きていると言ってもいいかもしれません。
女優の歴史において、ジャンヌ・モローはそうした魅力に長けていた女優と言えましょう。
それは、生々しさの魅力といった感じでしょうか。
実は、ジャンヌ・モローと2歳違いのマリリン・モンローもそうした資質に恵まれていたように思うのですが、
残念ながら、彼女は斜陽のハリウッド映画のシステムでサヴァイヴするのに精いっぱいで、そうした資質を開花させることが少ないうちに、疲弊してしまった印象があります。
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