映画『地下鉄のザジ』基本情報

1960年/フランス/93分/カラー

監督:ルイ・マル

出演:カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ ほか

 

 

 

『地下鉄のザジ』 【6-1】

 

 

 先日、テレビ番組で生成AIを取り上げていたが、その技術に驚いた。人の顔をどんどん若返らせることが出来るのだ、それも自然な感じで。例えば現在75歳の老人がいたとして、その人物の顔をあらゆる角度から撮影し、表情もさまざま撮影し取り込んでいく。既に個人を特定する手法として選択されている歩き方を始めとして、その人の身体の動きも取り込めば、顔だけではなく、全身の動きも再現できるだろう。

 

 産まれた時から今に至るまでの写真や動画なども取り込めば、より当時の本人に近づけることが出来るのだろう。SNSがここまで普及する以前に青春期を過ごした一般人ではデータに限りがあるだろうが、俳優やニュースキャスター等、メディアに登場する人物であれば、残っている動画もあるので、データの量は格段に増える。

 

 ハリソン・フォードがインディ・ジョーンズのシリーズ第1作『レイダース/失われたアーク』に出演したのが、38歳前後の頃。ハン・ソロ役で『スター・ウォーズ』第1作に登場したのが34歳あたり。それ以前では『アメリカン・グラフィティ』が30歳頃で、映画デビュー作の『現金作戦』まで遡れば、端役とはいえ23歳頃の映像があるはず。そこに個人所有の写真やらプライベートフィルム、可能な限り、ありとあらゆる情報を膨大に取り込めば、ハリソン・フォードの画像や動画も、1年刻みの老化を微妙に反映させながら、全身で再現可能になるのではないか。若返らせることも可能であれば、その逆、齢を重ねることも当然可能で、むしろこっちの方がより違和感なく出来るのかも知れない。

 

 以前、ショーン・パトリック・フラナリー主演でインディ・ジョーンズの活躍を描いたTVシリーズも作られたが、1年刻みで若返ることも出来れば歳を取ることも出来るハリソン・フォード(の生成AIデータ)が主演し、若き日のシリーズをまったく新しく作ることも可能なのではないか。回想シーンもやたらと挿入したりして。本人と、肖像権やら著作権等々の交渉が必要になるだろうが、映画会社は、さぞやりたいだろうなぁ、と思ってしまう。

 

“続く”