映画『レインマン』基本情報

1988年/アメリカ/134分/カラー

監督:バリー・レヴィンソン

出演:ダスティン・ホフマン、トム・クルーズ、ヴァレリア・ゴリノ ほか

 

 

 

『レインマン』 【5-1】

 

 

 手前に電線、奥には高層ビル群、その空の上からは、何やら宇宙船のような乗り物が画面の中央に進んだかと思うと、ゆっくり降下してくる。円谷プロの特撮か、はたまた『ブレードランナー』の乗り物か?それにしては、ピアノ線が見え見えなんだが・・・。

 

 陽気な音楽とともに、不思議な浮遊感で始まるオープニングが印象的な、1980年代を代表する秀作ドラマ、『レインマン』。中空を漂いながら地上に降りてきたのは、赤いイタリア車“ランボルギーニ カウンタック”。同じマルチェロ・ガンディーニのデザインであっても、ランボルギーニ ミウラでは違和感あるだろうが、カウンタックならば空を飛ぶ夢も見られそう。シド・ミードも、きっと納得するはず。

 

 もともとはオハイオ州シンシナティの裕福な家庭に生まれたチャーリー(=チャールズ)・バビット(トム・クルーズ)は、若くして高級輸入車を扱うバビット自動車の経営者として、カリフォルニア州で忙しい日々を送っていた。港で4台のランボルギーニ カウンタックの荷下ろしを見届けると、借金の返済も迫っており経営は綱渡り状態とはいうものの、「車は売れたも同然」と強気の態度を崩さず、1年前から付き合っている従業員で恋人のスザンナ(ヴァレリア・ゴリノ)を自家用車に乗せ、週末旅行に出かけた。目的地のパームスプリングスに向けて車を走らせていると、車載電話が鳴る。それは、絶縁状態だった父親サンフォード・バビットが亡くなったという報せだった。

 

“続く”