映画『キラー・エリート』基本情報

2011年/オーストラリア、アメリカ/117分/カラー

監督:ゲイリー・マッケンドリー

出演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ ほか

 

 

 

『キラー・エリート』 【6-6】

 

 

 1980年代初頭を舞台にしている2011年のこの作品は、とても丁寧に撮影されていると思う。舞台はメキシコから始まり、オーストラリア、オマーン、フランスのパリ、英国と、各所に移動する。登場するクルマ達も1970年代を中心に、1960年代から1980年代初頭に至るまで幅広い。その車種も豊富で、トライアンフの赤いサルーン(2000もしくは2500)とボルボの240ワゴンのカー・チェイスもあるし、フェザーメンの工作員が乗るヒルマン ハンター(なかなか見たことない)や、ダニーが乗るローバー3500、フォード エスコート MkⅡ、フォード グラナダ・クーペ(これもなかなか見ない)、アストン・マーチンDB6(007的で、秘密組織っぽい)、そのほか列挙し切れないほど。

 

 パリのシーンでは、角形2灯ヘッドライトのプジョー504のタクシー、その手前に今度は丸形4灯のプジョー504も停まっていたり、シトロエンのDSも停まっていたり。ワンシーン、若しくはワンカットのためだけにこれらの車両を揃えるだけでも、大変な労力が必要ではないか。ラストにはシトロエンSMの後ろ姿まで映し出されて───。

 

 殺伐とした内容が大半を占めるが、恋人をSMに乗せて夜のパリの街に消えていくなんて、なかなか憎い演出も用意されている。クルマ好き、特に、GT40とエスコートを除けば、あまり陽の当たることのない英国フォード車好きには、収穫の多いサスペンス・アクション映画だ

 

 

参考文献

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.1」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.3」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.4」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.6」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.7」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.9」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.10」 二玄社

別冊CG「自動車アーカイヴ Vol.17」 二玄社