映画『コードネーム U.N.C.L.E.』基本情報

2015/イギリス/116/カラー

監督:ガイ・リッチー

出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデル ほか

 

 

 

『コードネーム U.N.C.L.E.』 【4-3

 

 

 ベルリンの壁が崩壊して数年後に、ともに生産終了となったトラバントとヴァルトブルク。映画では2台ともチューンナップされている様な設定だが、素のトラバント601は、空冷2気筒2ストローク、600ccのエンジンをフロントに横置きして前輪を駆動させる2ドア・セダン(ボディのバリエーションは他にもある)。ひと回り大きいヴァルトブルクは、水冷3気筒2ストローク、1,000ccエンジン(1955年当初は900ccで、1962年から1リッターに)をフロントに縦置きして前輪を駆動させる4ドア・セダン(こちらもボディのバリエーションは他にもあり)。機構的にはともに、戦前型DKW(デーカーヴェー)をベースとする。

 

 19世紀の終り頃からの長い歴史を持つドイツの自動車メーカー。その歴史は複雑で、第2次世界大戦で敗戦国となったドイツは、戦勝国に国土を二分されることになる。不運にも、東側にしか自動車の生産拠点を持たなかったアウトウニオン(アウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラー)とBMW。その工場はソ連の統治下となり、のちに東ドイツの管理下に。アウトウニオンを構成していたうちのDKWの「F8」をもとに、ホルヒ/アウディの生産施設でボディをモダナイズして造られたのがトラバント。DKWの「F9」をもとに、BMWの生産施設で、DKWの工作機械を用いて造られたのが、ヴァルトブルクということになる。ややこしい。

 

“続く”