フリー・ガイ  Free Guy  2021年  アメリカ  115分  ★★★★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん

 

ライアン・レイノルズ主演。監督 ショーン・レヴィ。

オンライン・ゲーム『フリー・シティ』のモブキャラとして、毎日同じ生活を繰り返しているガイ(ライアン・レイノルズ)。しかしある日、彼はモロトフ・ガール(ジョディ・カマー)という女性に一目惚れする。そしてそれをきっかけに新しい自分へと生まれ変わる決心をするのだったが・・

文句無しに楽しめた。僕の大好きな3本、「トゥルーマン・ショー」「マトリックス」「レディ・プレイヤー1」をミックスしたような内容なので、確かにある種の既視感は付いて回るものの、この手の話が大好きな僕の好みに合致する。
特に「レディ・プレイヤー1」との近似性を感じるのは当然で、脚本が同じザック・ペン(マット・リーバーマンと共作)の手によるから。

本作のテーマは「自分とは誰か?」という大きなそして永遠の問いである。主人公のガイは毎日毎日同じ行動を繰り返す。朝目覚めたら、まずは水槽の中の金魚に挨拶をし、同じ服を着て家を出て、カフェで同じものを注文する。勤務先は銀行。そしてその銀行には毎日必ず銀行強盗が押し入る。こんな毎日が延々と繰り返されるのだ。彼は自分がモブキャラつまりゲームの背景の一部であることに気づいていない。しかしある日サングラスをかけることでゲームプレイヤーとしての視点を得てから彼の思考と行動は大きく変わるのである。

ゲームの中と現実世界のダブルプロットで話は進行するが、話のテンポもちょうどいい感じだ。モロトフ・ガールは現実世界ではミリー・ラスクという女性なのだが、友人でスナミ社の従業員であるキーズ(ジョー・キーリー)と共に社長のアントワン(タイカ・ワイティティ)の不正を暴こうとする。

モブキャラであるガイが人格を持ったあるいは自我に目覚めたということは、AIが感情を持ったということに他ならない。そういう言わば「神」の領域に関わる重くて深いテーマをさらりと描いているわけだ。実は哲学的な映画なのである。