天外者  2020年  日本  109分  ★★ | 新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

新作映画の評価 どれを観ようか? ネタバレなし

映画が大好き。都内千代田区在住です。

評価は5段階で
★★★★★ 最高! 面白い! もう1回見たい!
★★★★  オススメ 見ておくべき1本です
★★★   普通かな? 見て損はない
★★    うーん、ちょっと微妙かな?
★     つまらん

 

幕末の志士、五代友厚の伝記映画。
今年7月に急逝した三浦春馬の主演作品である。
製作は2019年だが、新型コロナと三浦の死により公開が延期されていた。
ちなみに「天外者」は「てんがらもん」と読む。

時は幕末。薩摩藩士の五代友厚(三浦春馬)は明晰な頭脳と抜群の行動力の持ち主。
土佐の坂本龍馬(三浦翔平)や伊藤博文(森永悠希)、岩崎弥太郎(西川貴教)らと交友。
薩英戦争で英国軍の捕虜になるが、脱出し江戸へ。1865年には英国に渡り、翌年帰国。

五代友厚という人物は、同時代の坂本龍馬や西郷隆盛、大久保利通等に比べると、知名度で大きく劣る。
僕もこの映画を観るまではほとんど知らなかったのだが、幕末維新に多大な貢献を果たした人物であることは理解できた。
司馬遼太郎は何故彼を扱った作品を書かなかったのだろうか?

49歳で他界するまでを描いている。盛り沢山な内容なので、駆け足でストーリーは進行する。
正直、作品としてはかなり厳しい評価にならざるを得ない。上手く表現しにくいが、とにかく全体的に安っぽいのだ。
製作費を抑えていることが伝わってくる感じで、TVドラマ的。
それもNHKの大河ドラマというよりは、年末によくやる時代物の2時間スペシャル的な雰囲気が濃厚なのである。
脚本も演出も悪い意味で万人向けで感心できなかった。

だが、今は亡き三浦春馬を見るための映画だと思えば作品としての出来はそれほど気にならなくなる。
彼の演技力が最高というわけではないが、やはり見せるべきところは見せるし、歌や踊りも出来るし、充分な実力と魅力を持っている役者である。
彼の姿がもう見られないのが残念である。それにしてもこの世に俳優を志すものが数多いる中で、映画の主演を務められるほどの
選ばれし成功者である彼が何故、死を選ばなければならなかったのだろうか?
ちなみに、三浦春馬の出演映画で未公開のものはまだあと2作品ある。

長崎時代の彼は丸山遊郭の遊女はる(森川葵)と相思相愛の仲になるのだが、このエピソードが実話かどうかはわからない。
はるが病死した後に出会った豊子という女性と結婚した五代は、大阪を拠点に活動する。大阪の社会と経済に対する五代の貢献は
非常に大きいらしいということはわかった。