2D 吹き替え版にての鑑賞。
誰でも知っている大きな耳で空を飛ぶ象のお話。ダンボという言葉は「耳が大きいこと」の同義語として現代の日本でもよく使われている。さらに、聞き耳を立てる時の譬えとして、「耳をダンボにする」という言い回しも一般化している。
オリジナルアニメは、今から78年前の1941年10月、日米開戦の直前に公開されている。 前年(1940年)の「ファンタジア」にしてもそうだが、アメリカの国力恐るべし!なのである。
今回は、ティム・バートン監督で実写映画化。ティム・バートンと言えば、ジョニー・デップ主演のコスプレもの(そしてヘレナ=ボナム・カーターも出てくる)というワンパターンの作品に食傷気味の向きも多かろうと思う。だが、本作は「ティム・バートン色」は薄められており、その点ではなかなか好感が持てる作品であった。
1919年のアメリカ フロリダ州。マックス・メディチ(ダニー・デヴィート)率いるサーカス団のスターだったホルト・ファリア(コリン・ファレル)は第一次世界大戦から復員する。彼は戦争で左腕を失っていた。そのサーカスの象「ジャンボ」が産んだ赤ちゃん象は、異様に耳が大きかった。赤ちゃん象は、「ダンボ」と名付けられたのだが・・
アニメ版のブルーの愛らしいダンボに対して、実写版のダンボは、グレーのしわしわの肌を持つ。象なんだから当たり前なのだが、そのリアルなダンボは、正直それほど可愛いと思えない。いや、むしろ気持ち悪い。ただし、顔つきは頑張ってアニメ版に似せるための努力が見られる。
ダンボといえば、その大きな耳を使って空を飛ぶわけだが、肝心の飛翔シーンについても、やはり相当に無理があった。どう考えたって無理だろう!と思えてしまう。
ちなみに、DUMBOの名前の由来だが、「Dear Jumbo Jr」の看板のDの文字が外れて、Jの文字の代わりになった、というのが面白い。
余談だが、「Jumbo(ジャンボ)」という単語には、「ジャンボジェット」で知られるように、「巨大な」という意味があるが、同時に「ウスノロ」という意味もあり、ボーイングは最初の頃、B747にこの愛称が付くのを嫌ったという。もう半世紀も前の話だが・・
さて、アニメ版とは異なり、こちらは人間ドラマ中心に話が進む。ダンボの評判を聞きつけた、実業家のV・A・ヴァンデヴァー(マイケル・キートン)が登場し、「ドリームランド」というテーマパークを作り、ダンボをそこのメインスターに据えたのだ。ダンボと一緒に空を飛ぶことになったのが、ヴァンデヴァーの愛人で元大道芸人のコレット(エヴァ・グリーン)である。マイケル・キートン、なかなか良かった。もしこれをジョニー・デップが演じていたら、いつもの「バカの一つ覚え」と思えたことだろう。
エヴァ・グリーンは、なんか老けたな、と感じた。
後半の展開は無難にまとまっていて、長さ的にもちょうどいい。決して子供向けではなく、大人の鑑賞にももちろん耐え得る。
