有楽町朝日ホールで行われた試写会にての鑑賞。
邦題には『仮面を被った街』という副題がついている。
監督は、ジョージ・クルーニー。脚本は、コーエン兄弟とクルーニーの共作である。
主演がマット・デイモンとジュリアン・ムーアということで大いに期待していたのだが、かなり残念な出来であった。
まったく予備知識無しに鑑賞したのだが、「この2人、何かおかしい」というキャッチフレーズから、このサバービコンという街に何か大きな秘密が隠されている話なのかと思っていた。ちょうど、ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー」や、ニコール・キッドマンの「ステップフォード・ワイフ」のように。だが、実際には思っていたのとまったく違う映画だった。
1959年。白人だけが暮らす平和で豊かな街、サバービコンにアフリカ系(黒人)の一家が引っ越してきたため、町全体に突如として不穏な空気が流れ始める。
時同じくして、ある夜、2人組の強盗がロッジ家に押し入ってきた。強盗はロッジ(マット・デイモン)の妻ローズ(ジュリアン・ムーア)を殺害して逃走した。が、実はこの事件は、ロッジとロッジの妻の双子の妹マーガレット(ムーアの一人二役)によって仕組まれた保険金目当ての殺人であった・・
ジャンル的には一応、クライム・サスペンスなのだろうが、何を伝えたいのか?がさっぱりわからない。まず、冒頭のロッジ家に押し入った強盗のエピソードがかなり唐突。仕組まれた事件であることはすぐにわかるのだが、説明不足なので、観る方は完全にミスリードされてしまう。この違和感が物語の最後までずっと付きまとうのだ。黒人差別も扱っていて、保守的なサバービコンの街において、「黒人出ていけ!」的な排斥運動も行われているのだが、そのことと殺人事件との関連性が無いので、チグハグ感が強い。
一応、謎解きの体裁を取っているので、ストーリーをこれ以上紹介することは差し控えるが、話が支離滅裂と言うか、とにかく展開に無理があり、説明もきちんとされないので、ストーリーが破綻しているのだ。ベテランのコーエン兄弟が手掛けた脚本とは信じ難いほどだ。ということは編集に難があるのだろうか? いや、編集は、これまた実力派のスティーヴン・ミリオンである。要するに、クルーニーが口出しして台無しにしたということなのだろう。
