「気がつくと、土中に埋められた棺の中に閉じ込められていた」系のシチュエーション・スリラー。2010年の映画で、「リミット」(原題:BURIED)というのがあったが、題名からしても、そのパクりというか亜流の作品と言える。
劇場未公開作品。TSUTAYAのレンタルDVDにての鑑賞。
監督は、キップ・トリブルとデリク・ウィンゴという聞いたことの無い二人。
キップ・トリブルは脚本も務める。ちなみに原題の「Coffin」は「棺」という意味。
木製の棺に男女が閉じ込められている。男はショーン。女はローナ。二人は愛人関係にあった。棺の中には懐中電灯と着信専用ケータイとビデオカメラが。
そして、ローナの旦那のジャックの元に、「トリック」と名乗る覆面の男が現れ、ジャックに金を要求する。タイムリミットは棺の中の二人が窒息死するまでの75分間。
ジャックは妻を救うべく奔走する。並行して、二人組の刑事が、この事件を追う。
刻々と迫る期限。やっとのことで身代金の50万ドルを用意出来たジャックは覆面男と車で目的地に向かう。棺の中の二人を救えるのか?そして驚くべき事実が・・・
うーん、全体に、かなり違和感と唐突感の残る展開である。
登場人物のキャラ設定も曖昧で、覆面の男もジャックもどこか抜けている印象で、画面から緊迫感が伝わって来ないのだ。
また、二人組の刑事の、この事件への関わり方も唐突かつ無理のあるものであった。刑事のうち、リーダー格であるスコットは、なかなか渋い演技をすると思っていたら、何と演じているのが、監督兼脚本のキップ・トリブル自身であった。相棒役の刑事も、もう一人の監督であるデリク・ウィンゴが演じており、要するに二人の監督が二人の刑事役なのだ。何か自主製作映画みたいなノリだな。
終盤にこの事件の真相が明らかにされる。その内容はネタバレになるので書かないが、その真相自体は頑張ってよく考えたと思う。けれども1本の映画(それも86分の短尺だ)として見た時に、どうも話がブツ切れになっていて、上手く繋がっていないような気がするのだ。前半部を何とかすれば、もっとぐっと良くなったはずなのに・・
そういう意味では結構惜しい作品ではある。