シネマでシネマ。-やさしい嘘と贈り物


「やさしい嘘と贈り物」

(2008年/アメリカ/ニコラス・ファクラー監督)


このテのヒューマンストーリーには敵わないからねえ、と思っていたけれど

これがもう、ほんと、思いのほか心にじんときた。


孤独な生活での、ささやかな恋、喜び、楽しみ。

それらがみんな嘘だったと知ったら。

だけど嘘だとしても、それらがみんな優しさからくるものだとわかったら。


やさしさは、与えるのも受けるのも

勇気が必要かもしれない。

それでも、相手に与えずにはいられないし

自分も受けとりたいと思う。



シネマでシネマ。-告白


「告白」

(2010年/日本/中島哲也監督)


日本のサスペンスも負けていない、と思った。

じわじわと真実が明らかになる緊張感、それぞれの立場から見た人間関係の複雑さ。

それらが重なり合ってストーリーが巧みに進んでいく。

CGの好き嫌いはさておき、話にも映像にも迫力があり

観終わった後、いい意味で後味の悪い映画だった。


シネマでシネマ。-瞳の奥の秘密


「瞳の奥の秘密」

(2009年/スペイン・アルゼンチン/フアン・ホセ・カンパネラ監督)


かなり久しぶりに見た映画に、ぐぐっと引き込まれた。

だけど、こんなに強い引力を感じたのは

久しぶりだったからだけではなく、もちろんこの映画がとても素晴らしかったから。


正義とは何か。正しいこととは何か。

それを決めるのは人であり、人によっての違いもある。

それぞれが自分の思う正義をいくしかない。

喜び、哀しさ、憎しみの感情も、全部、自分の正義に任されている。

何が正しくて、何が間違っているかはかんたんには決められないけれど

願わくば自分の正義には間違わずにいたい。

シネマでシネマ。-パリ20区、僕たちのクラス


「パリ20区、僕たちのクラス」

(2008年/フランス/ローラン・カンテ監督)


これ、ドキュメンタリーじゃなかった!

誰もが思ったはず。よくできたドキュメンタリーだなあと。


事実は小説より奇なり。

だけど、ドキュメンタリーに似た物語はたいへん奇なり。


反抗したい。友だちとつるみたい。

みんなと仲良くしたいけど、自分の譲れないところも大事にしたい。

それは子どもも大人も同じこと。

それぞれいろんな背景、事情を持っている人たちが

ぶつかって認め合って世界はまわっている。


教室は、宇宙だー。


シネマでシネマ。-アウトレイジ


「アウトレイジ」

(2010年/日本/北野武監督)


これはすごい。

まさにoutrage。

コピー通り、全員悪人。しかもえげつないほどの暴力の連続。


でも、ところどころにビートたけし的な不条理な笑いがおもしろい。

暴力が、outrageがおもしろいだなんて不謹慎なんだろうけど

笑いなんてそういう隙間から生まれてくるものなんだと思う。


痛いシーンも、ひどいシーンも

ひっくるめておもしろい映画だった。