この日々が凪いだら


2022/84分/日本

配給: Filmssimo

監督 脚本: 常間地裕

出演: サトウヒロキ、瀬戸かほ、山田将、小田篤、五頭岳夫、山之内すず、藤原季節、川瀬陽太

音楽: 羊文学


(あらすじ)

様々な変化と向き合う若者たちの姿を繊細なタッチでつづった群像ドラマ。故郷を捨てるように上京し建設現場で働く宮嶋大翔は、花屋に勤める望月双葉と出会い、やがて恋人同士となる。平成から令和へと時代は移り変わっても、2人の穏やかな日常はずっと続くかに思えた。しかし住居の取り壊しや身近な人の死によって、彼らは変化を余儀なくされる。大翔を「追い風」のサトウヒロキ、双葉を「愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1」の瀬戸かほが演じ、「藍に響け」の山之内すず、「佐々木、イン、マイマイン」の藤原季節が共演。監督・脚本は、本作が初長編となる常間地裕。オルタナティブッロックバンド「羊文学」が主題歌と挿入歌を手がけた。「MOOSIC LAB 2019」では「ゆうなぎ」のタイトルで上映。

               映画.comより




シネマの箱の評価: ★★★☆☆



私自身20代前半で、所謂若者である。将来について考え、何が自分にとって幸せなのか、わかっているはずなのにそこに踏み出せない、変わりたくても変わることが怖くて、わかっていないふりをしたりもする。そういった心情は痛いほどわかるし、共感できる。

しかし、この作品に対して高評価をしなかった理由が一つある。それは、登場人物への掘り下げが甘いと感じたのである。

この作品が日常にフォーカスされているのは理解できるが、先ほどの理由により、日常と共に変化する彼らの心情に説得力がないと感じた。

1時間ちょっとで描くにはなかなか厳しいのではないだろうか。

例えば、主人公が過去に母とは死別し、父親に殴られており、あまり家庭環境が良くないという話があった。そのため、地元にも帰らず、数年間会っていない。そのわりに、父親が死んだことで単純に悲しむだろうか。

映画というのは、監督や脚本に携わった人間のバックボーンが反映されると思う。彼らの家庭環境の運が良かったため、虐待されていた子供の心情を理解できていないのではと感じた。

もう一つは、主人公の友人である大吾が、会社を辞めようとしていたところ、いとも簡単に前向きに会社を続けようとことも理解できなかった。

この二つの話に共通して言えるのは、登場人物が置かれていたある地点から、彼らが行き着いたある地点までの感情の過程があまりにもなさすぎる。

人間の感情とはそう単純なものではなく、様々な通過点を通り過ぎて彼らなりの地点に繋がると思う。