映画好きが「安堂ロイド」を見続けるべき3つの理由(草稿) | 映画バー「銀幕酒場」オフィシャルブログ[バーの紹介とか、映画やDVDやドラマやアニメや演劇のハナシ]

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■「安堂ロイド」を見続ける理由(1)

果たして「安堂ロイド」は、ターミネーターを越えることができるか。
まずはこの点に尽きる。

正式タイトルは「安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~」。

第1話の感想をひと言でいうと、微妙。

サブタイトルに「人工知能は愛を知ってるか?」とあるので、
100年後の未来からやってきた安堂ロイドがのちのち愛に目覚めるのは間違いないとして、このあたりは、スピルバーグ監督の「A.I.」そのまんま。

そう、全体的に過去に使い古されたアイデアばかりなのである。
アクションシーンの演出までも古くさい。

誰もが指摘する「ターミネーター」「ドラえもん」そのまんまの設定は言うまでもなく、どこかで聞いたような設定やセリフのオンパレード。

コンセプト・設定協力に「エヴァンゲリオン」の庵野秀明、鶴巻和哉、前田真宏が協力しているからといって、コテンパンにやられて以降の再起動で、凶暴化するなんて「エヴァンゲリオン」そのまんま。

なんでも悪魔のOS「アスラシステム」が搭載されているためなのだが、
なんかこれも「機動警察パトレイバー」っぽい。

まぁ、SFパロディと思えばいいのかもしれない。
登場人物の名前のほぼすべてが、SF作家やSF小説絡みだし。

とはいえ、異空間「OOZING OUT (ウージングアウト)」なんて、ほぼファンタジーだし、100年後のアンドロイドが現代の拳銃で撃ち殺す理由も分からないし、さまざまな空間・情報工作ができるのに、直接殺害する理由も全く不明。

しかし、こんな豪華キャストなB級映画はハリウッドにもないハズ!


■「安堂ロイド」を見続ける理由(2)

第1話で最も気になったのが「君を守る」というセリフだ。

多すぎ!

バブルのときはよく聞いたけど、イマドキ女子でもこのセリフにドキドキするもんなんでしょうか。

しかも公式サイトでさえ「守る」と「護る」を同時表記する混迷ぶりで、コンセプトにブレがあるのは明らか。というか作品をちゃんとコントロールできていない証拠ではないか。

こんなコンテンツはほぼ失敗する。

それでなくても、日曜夜に「SF」をぶつけてきた実験ドラマだ。
このままでは視聴率的にはかなり苦戦するのではないか。

ただし、物語としては、今後、警察機体(サイバーポリス)からやってくる10体のアンドロイドと、安堂ロイドが毎回戦うことになるので、ノリは「仮面ライダー」だ。

そう思えば、十分に楽しめる。
まだ数々の謎も残っているので、見続ける理由もある。

例えば、警視庁公安部第仇課の遠藤憲一の鋭すぎる行動も見逃せないし、
全身白セーラー服の桐谷美玲の役どころも気になる(セーラー服反逆同盟かい!)。CMや「ショムニ2013」で困った顔ばかり見せていた本田翼の笑顔なんて、ひさひざに見た。


■「安堂ロイド」を見続ける理由(3)

脚本は「連続テレビ小説 ほんまもん」「ケイゾク」「SPEC」などの西荻弓絵。

個人的には「ダブル・キッチン」と「グッドモーニング」でめっちゃ好きになった脚本家だ。特に「グッドモーニング」は永久保存版的にうまい。

ネット感想に「SPECっぽいので、次も見る」というのもあったので、数々の謎も含め、西荻弓絵の本領発揮ならさらに面白くなるのではないだろうか。

キムタクが、脚本と演出に口を出さなければ……の条件付きだけど。

また、西荻弓絵はあくまでもメインライターで、公式サイトによると、別の脚本家ものちのち書きそう。

その点、やっぱブレそうだけど、西荻弓絵の存在感を感じられるかも。

とはいえ、安堂ロイドが「俺は、破壊されるのが前提の消耗品だ」と語る割には、壊れたのに修理されたり、イキナリのシナリオ的矛盾。

西荻弓絵に期待するしかない。


■おまけ

先日ニュースだと、トヨタの新CMで、阿部寛がアンドロイド役で登場するとのこと。

キムタクよりアンドロイド役はウマイ!って声が出てきそうですね。

キムタクはむしろ好きなほうだけど、山田洋次監督「武士の一分」を見る限り、他の演出家だと、まともに演出できないんだろうなと思ってます。

もしキムタクが“裸の王様”なら、誰かが指摘すべき。

直接取材したことないので、なんともいえないけど、そんな印象のままです。