【インサイド・ヘッド2】 | シネフィル倶楽部

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洋邦ジャンル問わず最新作から過去の名作まで色んな作品ついて、ライトな感想や様々な解釈・評論を掲載orつらつらと私「どい」こと井戸陽介の感想を書く場にしたいと思います!観ようと思ってる作品、観たい過去の作品を探す時とかの参考書みたいに活用してもらえればと♪

NEWオススメ最新作(※ネタバレあり)

 

これはもはや製作者達もだんだん戸惑いの方が大きくなってるのでは?!、と思えるほどの全世界大ヒットを記録してる作品が遂に日本公開となりました。

 

なんてったって、『アナ雪2』などを抜き、興行成績を塗り替えてアニメ作品の全世界No.1になってるのが本作ですから。

なんなら実写含めても『アベンジャーズ(1作目)』を抜いて、全世界10位になってるほど。(2024/8/4時点)

 

実はわたくし、一作目はまったく刺さりませんでした。

なんとなーくその大枠の展開は覚えているものの、ほぼ映画について覚えてるシーンやセリフが無いです。

 

なので、今作も自分には刺さらない可能性高いかもなー、でも世界的大ヒットになってるから観ておこー、くらいの感覚で観に行きました。

 

そしたらまぁびっくり。

 

始まって5分くらいで泣いてました…笑

 

(いまこれを書くのに、自分のハズカシが盛大に司令部で操作をしていた気配)

 

『Inside Out 2』

[邦題:インサイド・ヘッド2]

(2024)

 

いやー、消化のために観た作品の冒頭5分で泣くとか…びっくりどころじゃないです。自分にビビりましたw

 

 

しかも、なんで泣いてるのかイマイチ分からないけど涙が流れる、って感じだったんですw

 

なんか自分病んでる?疲れてる?!とか思いましたが、決してそんなことはなく。

 

作品の世界観や表現、描かれていることが秀逸であることの証左かと思います。

 

 

ちなみに、これから本作をこれから観る方、鑑賞を検討されている方にお伝えしたいのが、1作目を観ていなくても今作は十分楽しめますということ!

 

「1作目を観てないからなぁ」という理由で、本作を観ないのはひじょーーーーーーに勿体無いですよ^^

 

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■『インサイド・ヘッド2』あらすじ

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どんな感情も、きっと宝物になる―ディズニー&ピクサーが贈る、あなたの中に広がる<感情たち>の世界。 

 

 

少女ライリーを子どもの頃から見守ってきた頭の中の感情・ヨロコビたち。ある日、高校入学という人生の転機を控えたライリーの中に、シンパイ率いる<大人の感情>たちが現れる。

 

 

 「ライリーの将来のために、あなたたちはもう必要ない」―シンパイたちの暴走により、追放されるヨロコビたち。

 

巻き起こる“感情の嵐”の中で自分らしさを失っていくライリーを救うカギは、広大な世界の奥底に眠る“ある記憶”に隠されていた…。

 

 

(映画『インサイド・ヘッド2』公式サイトより)

 

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■全体評

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全体を通してクライマックスのところでも泣けてしまったのですが、そこはなんとなく理由は分かっていて。

 

今回の続編は素直でストレートな感情達と、思春期の複雑な感情達のぶつかり合いと、その共生を描くといったような内容ですよね。

 

 

それって今の自分のライフステージからすると、自分の子供がこれから体験するのかなぁという視点と、かろうじて覚えてる自分の思春期との、両面を重ね合わせて映画を観ることができたのだなぁと。

 

なので、そのふたつの体感の交差点みたいなものに立つことになった故にクライマックスにとても感動できたような気がしています。

 

 

そして多部未華子!!!!

 

いやー、これ言われなきゃ彼女が「シンパイ」の声を担当してるとか分からん!

 

 

すごいです。天晴れです。

 

もちろん彼女が声優をつとめるのは知ってたんですが、「シンパイ」の初登場シーンから最後まで多部未華子がやってるとは信じられないくらい。

 

 

でも、じゃあ彼女じゃなくてもいいじゃん、とはならなくて。

 

圧倒的に今回のキーマンとなる「シンパイ」。

そのビビリで不安定な感じと、未来をリスクヘッジしてる頼もしさと、愛嬌と奇抜さとを絶妙なバランス感で表現してました。

 

 

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■あとがき

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「1」で登場した感情たちって、ヨロコビ・カナシミ・イカリ・ビビリ・ムカムカなど「」に反応するキャラクターなんですよね。

 

それに対して今回の感情たちは、シンパイ・ハズカシ・イイナー・ダリィ(・ナツカシ)という「未来(や過去)」に反応するキャラクターになっています。

 

それって、未来を予想したりそこから逆算したりすることで起こる感情達がメインってことですよね。

 

それは正に、頭の中で捉えられる時間軸が長くなったり、想像力が鍛えられているなど、「思春期」という成長過程の大きな特徴を捉えている気がします。

 

 

描きたいことと物語、物語を推し進めるキャラクター造形と世界観、それらが非常に一貫しておりブレずに映画が進むので鑑賞する側も迷う余地がありません。

 

一直線に物語に没入することができました。

 

幅広く届けられる娯楽性は一貫させつつ、大人だからこそ理解できるメッセージ性、逆に子供だから体感で理解できる(頭ではなく心と身体で理解できる)表現とのバランス感覚を持った非常に優れた作品だなぁと感じました。

 

あー、もっかい劇場で観たい。

 

 

最後に。

 

続編でヨロコビの声を務めた小清水亜美さんへの賛辞と共に。

 

R.I.P.竹内結子さん。

 

 

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■予告編

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