【そばかす】 | シネフィル倶楽部

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洋邦ジャンル問わず最新作から過去の名作まで色んな作品ついて、ライトな感想や様々な解釈・評論を掲載orつらつらと私「どい」こと井戸陽介の感想を書く場にしたいと思います!観ようと思ってる作品、観たい過去の作品を探す時とかの参考書みたいに活用してもらえればと♪

NEWオススメ作品(※ネタバレあり)

 

三浦透子演じる主人公が「宇宙戦争」の見どころとしてトム・クルーズの走る姿を語る

 

そんなシーンだけでこれがオススメできる一作。

 

『そばかす』

(2022)

 

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■『そばかす』あらすじ

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「恋愛をしたことがない、そういう感情もない。 だけど楽しく生きていける―」 それが私だと思っていた。

 

 

私・蘇畑佳純(そばた・かすみ)、30歳。
チェリストになる夢を諦めて実家にもどってはや数年。

コールセンターで働きながら単調な毎日を過ごしている。
妹は結婚して妊娠中。 救急救命士の父は鬱気味で休職中。

バツ3の祖母は思ったことをなんでも口にして妹と口喧嘩が絶えない。

そして母は、私に恋人がいないことを嘆き、勝手にお見合いをセッティングする。

私は恋愛したいと言う気持ちが湧かない。

だからって寂しくないし、ひとりでも十分幸せだ。

でも、周りはそれを信じてくれない。

恋する気持ちは知らないけど、ひとりぼっちじゃない。

大変なこともあるけれど、きっと、ずっと、大丈夫。
進め、自分。

 

 

映画『そばかす』公式サイトより)

 

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■全体評

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三浦透子のフラットな雰囲気がこの映画に説得力をもたらしてます。

この映画のテーマを考えたときにキャスティングの妙を感じずにはいられません。

 

それから、実力ある素敵な女優さんたち大集合

 

 

もっと超越したところへ。』のレビューでも書きましたが、前田敦子の存在感ね。

 

この映画はアロマンティック・アセクシャルをテーマの一つに取り上げた作品ですが、周りが理解してくれないもどかしさや息苦しさや本人が感じる面倒臭さを描いた作品です。

 

決してドラマティックな作品ではありません。

 

 

そんな中で前田敦子演じる旧友が、言葉にしてくれます。

色々な思いやモヤモヤを言葉にしてくれます。

そこが気持ちいい。

 

 

このキャラクターの存在はこの映画にとって一つ大事なポイントですね。(それを前田敦子に任せたことも含め)

 

主人公の身内を演じた伊藤万里華もいろんな役を演じることができる女優さんですね。

こういう役も厭わず演じられるところが好きです。

 

 

佐藤玲も(今作ではちょっと典型的な女子すぎるきらいはありつつ)どの作品でも絶妙な存在感を発揮しています。

架空OL日記』の役とか最高ね。あとは『死刑にいたる病』での体を張った演技などなど。

 

 

旬な女優さんたちの演技を堪能できる作品としてもおすすめです。

 

前原滉演じる旧友の保育士がゲイであることを告白し、いい友人関係を主人公と築いていくのですが、彼自身にも理解してもらえない壁を描くことで主人公を取り巻く環境がより説得力をもって観客に提示されます。

 

ただ、最後だけが少し救い。

 


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■予告編

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